世界一に輝いた鮮やかなグリーン “オリーブの島” の「しぼりたて」オリーブオイル 収穫期迎え オイル作り始まる

広島県江田島市が島をあげて栽培を進めているオリーブが収穫時期を迎えました。新鮮なオリーブオイル作りも始まっています。

「ことしはいいんですよ。去年が悪かったもんでね」――。9月から本格的にオリーブの収穫を始めたのは、オリーブの栽培加工やレストランを運営する山本倶楽部です。15年前に耕作放棄地を有効に活用しようと江田島市と協力してオリーブの栽培を始めました。

現在は、江田島市と呉市にある農園約12ヘクタールで12品種のオリーブを栽培。7種類のオリーブオイルを作っています。ことしは連日、続いた猛暑の影響もなく、例年にない豊作だということです。

山本倶楽部 濱田章裕 社長
「オリーブ関しては、この温暖化に強いんじゃないかと思って。あまり実の大きい小さいがないような気がしますね」

「オリーブの島」作りを目指す江田島市。12年前に「江田島オリーブ振興協議会」を設置し、官民一体となってオリーブ栽培に力を入れています。

江田島市は、農家や市民にも栽培してもらおうと、2010年から苗木の購入助成制度を始めたり、栽培講習会を行ったり、品質向上に努めています。

一方、山本倶楽部では、江田島市大君にレストランと加工工場が併設する「江田島オリーブファクトリー」を2016年から運営しています。また、農家や市民が栽培したオリーブの実を1キロ850円で買い取っています。

この日も、市民や農家の人たちが大切に育てたオリーブ実を集荷場に次々と持ち込まれていました。

山本倶楽部 濱田章裕 社長
「みなさん、暑い最中ですけど、しっかり収穫してもらって。去年は不作で悲しい思いをしたけど、ことしはみなさん、うれしそうに来られる。非常にありがたいことです」

世界一にも輝いた鮮やかなグリーン

収穫や買い取りされたオリーブの実は選果場に運ばれ、オリーブオイルに加工するため、枝や葉などを1つひとつ手作業で取り除き、洗浄。このあと、皮と種も一緒に粉砕し、粘りが出るまでしっかり混ぜ合わせます。

2時間以上かけ遠心分離機で水分を抜き、最後にフィルターで不純物をろ過したら完成です。収穫したその日のうちにしぼるため、鮮やかなグリーンが特徴でさまざまな味や香りが楽しめます。

4年前には日本のオリーブオイルでは初めて世界1位のオリーブオイルに輝きました。火を通さず、バニラアイスにかけたり、そのまま飲んだりするのがお勧めだそうです。

山本倶楽部 濱田章裕 社長
「江田島市役所中心に農家さんも協力してもらって、いいオリーブオイルがとれるようにわたしども、がんばっていきます。農家さんにもぜひとも協力を仰ぎながら、いいオリーブオイルを作り続けたい」

山本倶楽部によりますと、オリーブの収穫は10月末まで続ききます。今年は、去年より4トン多い約10トンを見込んでいて、オリーブオイル800リットル分になるということです。

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