ガス管、強い力で損傷 バルト海「断固対応」も

 【ブリュッセル、ロンドン共同】北欧フィンランドとエストニア間のガス輸送に使うバルト海の海底パイプラインと通信ケーブルに損傷が見つかり、フィンランド政府は10日、意図的な破壊活動の可能性が高いと発表した。ロイター通信によると、エストニアのペフクル国防相はパイプラインを覆うコンクリートが破壊されており「かなり強い力によって引き起こされた」と述べ、原因究明を急ぐ考えを示した。

 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は11日「攻撃があったことが証明されれば、NATOは断固とした対応を取る」と表明した。ストルテンベルグ氏は10日、調査に協力する意向を示していた。

 パイプラインは「バルチックコネクター」で、2019年に開通した。海底部分は77キロあり、今月8日にガス漏れが見つかり原因を調査していた。修復には数カ月かかるもようだが、冬場のエネルギー供給に深刻な影響はないとみられる。

 フィンランド側によると、パイプラインの損傷は同国の海域で発生し、通信ケーブルの破損はエストニアの海域で同じ時間帯に起きた。

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