「逆のスコアでもおかしくなかった」藤井聡太“八冠”が一夜明け会見で語った【全文】

10月11日、京都市のホテルで行われた将棋の王座戦五番勝負第4局で、永瀬拓矢前王座(31)を激闘の末に破り、史上初の快挙を成し遂げた藤井聡太“八冠”(21)。

一夜明けて12日午前9時、改めて記者会見に臨み、時折笑顔を見せながら答えました。

Q.昨夜はどう過ごした?
「終局も比較的遅かったので、部屋に戻った後、軽く対局を振り返って、という感じ。軽くといってもいろいろ考えてしまったところもあるが、普段通りに眠れた」

Q.師匠から連絡は?
「家族からはおめでとうと届いた。師匠は忙しいと思うのでまだ連絡はないが、どこかでこちらから報告できれば」

Q.改めて八冠の感慨は?
「今回、王座戦で八冠に挑戦できるのは貴重な機会と思っていたし、実現できたのは実感がわかないのが正直なところ。うれしい気持ちとともに、これまで以上に将棋の内容など高いものが要求されると思っている」

Q.今後自分のピークは?
「まだ伸び代というか、改善の余地は高いと思うが、10代の頃と違って意識的に取り組んでいかないと棋力を伸ばすのが難しくなってきていると思っているので、どうすればより実力を高めていけるかをしっかり考えたい」

Q.八冠維持の期間の目標は?
「目標は全く考えていない。竜王戦も始まっているし、これからの番勝負をできる限り良い内容のものにしていきたい」

Q.自身の成長を振り返って
「タイトルに初めて挑戦するまではある程度時間がかかったと思うが、それ以降のタイトル戦では自分の実力以外の結果が出ている。これからは結果に見合うだけの実力を求められると思う」

Q.追われる立場になったことで戦い方は変わる?
「将棋は盤を挟んでしまえば、立場の違いは全くないので、これまでと変わらない気持ちでいいのかなと思う」

Q.2局連続の逆転勝利。なぜ藤井さんだけこんなに強い?
「この王座戦では第3局4局は全体通しても非常に苦しい将棋で、逆のスコアでもおかしくなかったと思う。そのことについてはやはり幸運だったのかなと思う。運というのはどちらに出ることもあるので、そうではなくてもっと実力が必要だなと感じる」

Q.会場は歴代王座戦の舞台。きのう1日どんな環境で指した?古都京都については?
「私自身はこちらでの対局はきのうが初めてだった。対局室も静かで素晴らしいところで集中して対局できた。京都での対局と言うと、たくさん経験しているので馴染み深いところ。そういったところで達成できたのも嬉しい」

Q.今の心境を揮毫するなら?言葉で表現すると?
「すみません、それはまだ考えていないのですが、おそらく、どこかでセンスが出るかと思うのでそれをお待ちいただければと思う」

Q.自身へのご褒美は?
「勝った時に何かご褒美を、というのはあまり考えていなくて、むしろ勝った時も負けた時も変わらずモチベーションを保つということが大事なので。むしろ負けた時にどう気分を良くするかと言うことを意識していて。なので今回もご褒美を、ということはなくて、王座戦をしっかり振り返ってまた前に進んでいけたら」

Q.大ピンチで幸運を引き寄せる力、心掛けていることは?
「局面が苦しい時、自然に進めてもさらに苦しくなってしまうので、なるべく相手の玉に少しでも迫る形を作って、何とか複雑な形にできればと思って指していました」

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