部屋いっぱいの手芸作品、被災者の憩いの場に 台風19号から4年

震災後から作り始めた人形やつるし飾りが彩る加藤信子さんの自宅=山田町船越

 2019年の台風19号豪雨発生から12日で4年。東日本大震災と台風で二重被災した山田町船越田の浜地区に住む加藤信子さん(79)は、震災後に始めた手芸作品を自宅いっぱいに飾り付け、被災者ら住民の憩いの場になっている。長男と夫を亡くし悲嘆に暮れた日もある。支えられたのは「この指とまれ」と、集まったグループ活動の仲間たち。互いに編んだ絆を力に地域と歩んでいく。

 「しまっておくのはもったいなくてね。こつこつ続け、いくつになったかも分からないの」。加藤さんはいとおしげに自宅の1室を見渡す。6畳の部屋を埋め尽くすあでやかな作品の数々。飾り始めた昨年5月から、今までに80人ほどが訪れている。

 作品の多くは手芸や体操、歌などで地域の女性たちが集まるグループ「この指とまれ」の活動で制作した。加藤さんが代表を務め、田の浜コミュニティセンターを拠点に活動する。

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