コロナ・インフル流行で薬不足 広島でもせき止め薬がない! 流行シーズンの冬に向け「不安」

新型コロナが少し落ち着いてきたと思ったら今度はインフルエンザと例年、この時期にはなかった現象が起きています。そうした中、全国的に伝えられている薬不足について取り上げます。広島でも同じ状況が起きています。

広島市中区の内科クリニック。医師の手元には近くの調剤薬局から届けられた薬の在庫状況が...。

大橋内科医院 大橋信之 院長(広島市医師会常任理事)
「『入荷が止まっています』というのは軒並み出ている。せき止め、解熱鎮痛剤、カゼ薬。去たん剤もそう。今、基本的に内科的にはとにかくせき止め。せき止め、去たん剤、それから総合感冒薬が入らないと」

全国的に伝えられている薬不足ですが、広島も同じ状況です。

大橋内科医院 大橋信之 院長(広島市医師会常任理事)
「非常に不安を覚えている状況。インフルエンザも例年と違う動きをしている。コロナも必ず、また冬にはやると思う」

薬剤師 中川潤子 さん(県薬剤師会副会長)
「アスペリンというせき止めを使っているが、頼んでも、いつ入ってくるか分からない。どれだけの量が入ってくるか分からない。細粒もあるが、なかなか入ってこないというような状況になっている」

特に、せき止めやたんを切る薬などが、なかなか入ってこないそうです。

薬剤師 中川潤子 さん(県薬剤師会副会長)
「在庫が少なくなると、医師に『あと何人分しかないので、もしかすると迷惑をかけるかもしれない』というように伝えたりとか、あとは全くないときは、ほかの系列の店舗から、あるようだったら譲ってもらって、使わせてもらってとか」

薬不足は、おととしのジェネリック医薬品メーカーの不祥事に対する「業務停止命令」が発端となり、コロナ禍が拍車をかけたといいます。

薬剤師 中川潤子 さん(県薬剤師会副会長)
「コロナが収束して、患者も落ち着いてきたと思ったのだが、ことしはインフルエンザの方が流行が早かったので、それで患者が増えてきて、そうすると、症状を抑える薬、せき止めとか、たんを切る薬、今は抗生物質も少し品薄になっていて」

これから、新型コロナやインフルエンザの流行のシーズンといわれる冬場を迎えます。

薬剤師 中川潤子 さん(県薬剤師会副会長)
「今でもこの状況なので、またコロナ・インフルエンザが増えてくると、本当に薬、だいじょうぶなのか、足りるのか、というのが本当に今、私たち不安でいっぱい。処方箋が来て、患者が欲しいけど出せないという状況にならなければいいと思う」

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