ベンゼマがサウジの居心地の良さ語る。「宗教的にも、サッカー的にも…」

写真:今シーズン7試合で、3ゴール2アシストを記録しているベンゼマ

2022−23シーズン、残すは最終節を消化するのみというタイミングだった。レアル・マドリードとの契約が残り1年となり、多くのファンがその去就に注目する中、元フランス代表カリム・ベンゼマは自身の将来について「ネットの世界で話されていることは現実ではない」と発言し、レアル・マドリード残留を仄めかした。しかし、その発言から急転直下、最終節を前日に控えたタイミングでレアル・マドリード退団を発表した。

多くのファンに驚きを与える形での退団になったが、レアル・マドリードでの最後の公式戦となったアスレティック・ビルバオ戦では、途中交代でピッチを去る際に観客からの惜しみない拍手と共に、14シーズンに渡り活躍したサンティアゴ・ベルナベウのファンに別れを告げた。

キャリアの晩年に差し掛かるベンゼマが次の活躍の場として選んだのは、サウジ・プロフェショナルリーグのアル・イテハドだ。加入直後にはヌーノ・エスピリート・サント監督との不仲により、欧州へのレンタル移籍が噂されたが、ベンゼマ本人は新たな環境に居心地の良さを感じているという。スペイン『as』電子版が伝えている。

「イスラム教徒として、メッカ(イスラム教の聖地)は特別な場所であり、とても居心地の良さを感じているよ。サウジアラビアはイスラム教の国であり、自分を歓迎し、愛されているということを実感できたんだ」

宗教的な観点から、サウジアラビアでの暮らしはベンゼマ本人にとって、居心地の良いものであることを明かした。そして、マドリードでの成功、サウジアラビアへの移籍について言及した。

「レアル・マドリードで成し遂げた全ての事に満足し、誇りを感じている。でも、マドリードで全てを勝ち取り、自分の人生で新たなことに挑戦する良い機会だと思ったんだ。サウジアラビアのサッカープロジェクトには全ての観点から魅力を感じ、この国のサッカー発展に貢献し、その一部になりたかったんだ」

2022年には、その年の世界最高の選手に贈られるバロンドールを初めて受賞し、個人としても、チームとしても獲得可能なタイトルを全て勝ち取ったベンゼマは、サウジアラビアの新たなプロジェクトに魅力を感じ、移籍を決断したという。最後に、急成長を遂げるサウジアラビアのサッカーについてもコメントした。

「この国のサッカーは情熱が溢れているし、プレーのレベルに対しても満足している。ヨーロッパではあまりサウジ・プロフェショナルリーグを見ないから、実際にプレーして、そのレベルの高さには本当に驚かされた。今ではヨーロッパでも注目が集まっているよ」

サウジのレベルに驚き、情熱を感じたとベンゼマは語った。また、2022ー23シーズンにセルタで大ブレイクし、21歳でアル・アハリへ移籍したガブリ・ベイガも、サウジ移籍は“お金”ではなく、“サッカー的な要素”から移籍を決断したと語っている。近い将来、サウジ・プロフェショナルリーグが欧州トップリーグに肩を並べる日が来る可能性も0ではなさそうだ。

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