除雪デジタル化加速 人手不足で石川県 道路混雑緩和も図る

県道に積もった雪をどかす除雪車=今年1月、金沢市内

  ●GPSで作業車管理/音声案内車を全域に

 石川県は降雪期を前に、道路除雪のデジタル化を加速する。新たに衛星利用測位システム(GPS)を使った除雪車の管理システムを試験的に運用し、作業時間の把握に役立てる。県民にもGPS情報を公開して渋滞緩和を図る。縁石など道路の凹凸データに基づき、音声で除雪車の操縦を指示する「音声ガイダンス」も県内全域で導入。作業を担う建設業の人手不足が深刻化する中、経験が浅い人でも業務を行えるようにする。

 GPSによる除雪管理システムは「除雪完了」や「除雪中」「未除雪」といった作業段階を色分けし、県ホームページ(HP)上の地図に表示する。今年度は一部地域で先行運用し、対象地は今後選定する。来年度、県内全域に広げる方針だ。

 作業する場所や開始・終了時間の記録をデータで残す機能も備え、作業員が業務報告書を作成する時間の短縮にもつなげる。将来的には、どこの除雪にどれだけ時間が掛かるかといったデータをまとめ、応援人員の調整などにも役立てる。

 県民向けには、除雪の進ちょく状況を「見える化」することで、どの道路を使うかを選ぶ参考にしてもらう。

 除雪車搭載の音声ガイダンスは、縁石やマンホールがどこにあるかといった路面情報を記録した機器が「(車体を)左に寄せて」「(除雪板を)下げて」などの指示を作業員に出し、作業の仕上がり向上や事故防止を図る。昨年度、奥能登と南加賀の土木事務所で試験的に導入しており、対象エリアを県全域に広げる。

 県は10月20日に除雪対策会議を開いて今冬の対応を確認する。11月1日には道路除雪対策本部を設置し、降雪に備える。道路の積雪情報は県ホームページ「石川の雪みちナビ」で提供する。

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