入善産深層水サクラマス使用、オール県産ますずし誕生 源と入善漁協連携、限定1500食

海洋深層水で仕込んだサクラマスを使った「伝承館ますのすし」をPRする四谷社長(左)と佐藤副組合長

 ますずし・駅弁製造販売の源(富山市南央町)と入善漁業協同組合(入善町芦崎)は、地元の海洋深層水で養殖した大型サクラマスを使ったますずしを開発した。コメも県産米を使い「オール県産」を打ち出した。年中低温でクリーンな水を使うことで、猛暑などの気候変動に左右されず持続可能な生産が可能となる。今月13日から12月末まで約1500食限定で販売する。

 ますずしに使われるサクラマスは入善沖の水深384メートルから取水し、入善海洋深層水活用施設で約2年かけて育てられた。ミネラル豊富な深層水で仕込むことで3キロ級に大きく育ち、脂のりも良い。「伝承館ますのすし」の名称で、熟練の職人が昔ながらの製法で手作りし、高級感あるパッケージとなっている。

 関係者が12日、入善海洋深層水パークで会見した。源の四谷英久社長は、サクラマスの漁獲量が減少し、北海道など県外産を使用している現状に触れ「地元で育ったものを使うことで物流時間がかからず、高鮮度で安全性の高いものが提供できる」と期待感を示した。漁協の佐藤宗雄副組合長理事は「育てたサクラマスを源に認めてもらい、うれしく感じる。天然ものに劣らず本当においしく、富山の食文化継承に努めたい」と述べた。

 価格は2900円。JR富山駅や新高岡駅、源ますのすしミュージアムなどで通常販売するほか、源の富山・黒部・砺波各インター店と源オンラインショップで予約販売する。

大型で脂のりがよいサクラマスを使用した
開発の経緯について会見で説明する四谷社長(左)と佐藤副組合長
報道陣向けに試食もあった。とろっとした食感が特徴

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