バイエルン名誉会長、トゥヘル監督を非難「賢明ではない発言をした」

写真:名誉会長から“お叱り”を受けたトゥヘル監督 ©Getty Images

バイエルンのウリ・ヘーネス名誉会長が、チームを率いるトーマス・トゥヘル監督を非難した。ドイツのテレビ局『N-TV』の公式サイトが伝えている。

バイエルンは今夏、トッテナムからイングランド代表FWハリー・ケインを1億ポンド(約182億4030万円)以上とも言われる移籍金で獲得した。しかし、トゥヘル監督はイングランド代表MFデクラン・ライス(ウェストハム→アーセナル)やイングランド代表DFカイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ)の獲得もクラブにリクエストとしており、移籍マーケット最終日にポルトガル代表MFジョアン・パリーニャをフラムから獲得寸前までいきながら、フラムが代役を確保できなかったために破談となったことにも不満を漏らしていた。

そして実際、シーズン開幕当初は起用できるセンターバックの選手がフランス代表DFダヨ・ウパメカノ、オランダ代表DFマタイス・デ・リフト、新戦力の韓国代表DFキム・ミンジェの3人しかおらず、DFBポカール1回戦ではドイツ代表MFレオン・ゴレツカをセンターバックで起用せざるを得ないほどだった。

こうした情報を受け、トゥヘル監督はブンデスリーガ第3節のボルシアMG戦の後に「我々のチームは少しばかり薄く、小さい」と語り、十分な戦力を確保しなかったとしてクラブを批判した。

このコメントに対し、ヘーネス名誉会長は「こうした発言はメディア、特にタブロイド紙にとっては格好の“ご馳走だ”と語り、次のように非難した。

「指揮官を含む何人かは賢明ではない発言をした。『チームが薄すぎる』などと言って、自分のチームの印象を悪くすべきではない。我々の選手層は薄いわけではない」

また、ヘーネス名誉会長は今後のクラブ戦略について、次のように言及している。

「バイエルンは今後、高価な選手を買うだけでなく、若い選手にもチャンスを与えるようにもしなければならない。夏のツアーで大活躍したMFフランス・クレツィヒも、人材不足がなければ発掘されることはなかっただろう。高価な選手しか買わなければ、若手にチャンスは回ってこない」

この言葉が事実であれば、トゥヘルが今後、大型補強を望んでも、期待するほどの選手獲得はされないのかもしれない。

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