左に紛失&右にOB 石川遼は“バッドスイング”立て直す10mイーグル締め

日本オープンにトラブルはつきもの。32歳は達観して戦う(撮影/村上航)

◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 2日目(13日)◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪)◇7315yd(パー70)◇晴れ(観衆4759人)

1mは右にスライスするイメージで打ち出した10mのイーグルトライを「打った瞬間にいいパット。入らなくても、いい上がりはできたなって(思える)」と自画自賛する。カップインを見届け、力強くガッツポーズを作った石川遼が余韻たっぷりにスタンドへ視線を送ると、さらに大きくギャラリーが沸いた。

最終18番は「日本オープンの中でもすごく狭くて、わながあるパー5。でも、いいティショットを打てれば、チャンスが生まれる」ホールだ。しかし、この日の1Wショットはところどころで大きなミスも出ていた。

苦しんだドライバーが最後に報われた(撮影/村上航)

2連続バーディで滑り出した前半6番は思い切り左サイドを狙ったボールが見つからずに紛失球。「たぶん“木になった”と思う」。ダブルボギーとした直後、527ydの7番で220ydのセカンドを4UTで1mに絡めるバーディを奪い、9番も獲り返す攻撃力を発揮した。折り返して11番では1Wショットが右サイドの白杭(くい)の向こう側へ飛び込み、2つ目のダブルボギー。「両方とも“バッドスイング”というのは自分でも分かっていた」と振り返る。

17歳で2位に入った日本オープンも13度目(撮影/村上航)

苦しみながら迎えた18番。左からの風で池のある左サイドへの警戒レベルを下げつつ、それまで目立った右へのミスをケア。しっかり振り抜いてフェアウェイを捉えた1W、197ydを5Iで2オンしたセカンドも含めて「(週末に向けて)ちょっと弾みはついたかな」とうなずく理想的なプレーを最後にできた。

注目を浴びる場面でベストプレー(撮影/村上航)

初日「68」に続く「69」で首位と1打差の通算3アンダー3位。13度目の出場となる日本オープンで予選ラウンドに60台をそろえたのは初めてとなる。1桁順位で週末に入るのも2010年大会以来と大きなブランクを挟む。

「さすがに、もう覚えてないですね」と苦笑するように記憶にはなくても、身体に染みついたものを残り36ホールにつぎ込む。「ホントにいい調子でやっていたら、フェアウェイからウェッジだけ打っていればいい。でも、そうはいかないのが日本オープン。どんなに良くても、多少のトラブルはある。自分の経験、作り上げてきた支えとなる部分、準備してきていることがしっかりできれば」。17歳で2位に入ってから15年。32歳の落ち着きでゴルファー日本一の頂を見据えた。(大阪府茨木市/亀山泰宏)

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