西俣の自然で「ととのう」 小松のキャンプ場にテントサウナ

導入したテントサウナ。豊かな自然の中でリラックスできる=小松市西俣町

  ●交流人口拡大図る

 小松市の山あいにある西俣キャンプ場に、地元の地域おこし団体「西俣創造の森振興会」がテントサウナを導入した。豊かな自然の景色を眺めながら、心身が深くリラックスする「ととのう」体験を楽しめる。全国的なサウナブームの中、テントサウナ単独での営業許可は現在、県内唯一で、高齢化が進む地域に誘客を図り、交流人口拡大につなげたい考えだ。

 テントサウナは縦横1.75メートル、高さ2.1メートルで、内部にまきストーブが置かれている。1張りにつき一度に4人が利用でき、男女別の2張りを用意した。キャンプ場の管理棟で受け付けし、棟内にはシャワー室やトイレ、脱衣所を備える。テントの近くにはハンモックや椅子を並べ、緑に囲まれた中で外気に触れてリフレッシュできる。

 テントサウナで営業を行う場合は、公衆浴場法に基づき許可が必要となる。同振興会は市の委託でキャンプ場を管理運営しており、県によると旅館や公衆浴場の付属施設としてではなく、テントサウナのみで許可を受けているのは現在、同会のみという。

 会長の北光弘さん(67)によると、西俣町に暮らす住民は現在12人で、ほとんどが70~80代。ブームのサウナで西俣に人を呼び込みたいと昨年から検討を始め、今月5日に許可が下りた。

 テントサウナは事前予約制で毎週土曜の正午~午後9時に開設し、予約があれば日曜も対応する。料金は1回50分で大人2千円、小中学生は割引となる。西俣と同じ西尾校下の若手有志3人が設営など協力する。

 12月~翌年3月は冬季閉鎖となるが、北さんは来年度以降、冬も営業して「雪中サウナ」を楽しめる環境を目指す考えだ。北さんは「春は桜が咲き、晴れた日の夜は星空が最高だ。テントサウナで地域を盛り上げたい」と意欲を語った。

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