16年ぶり「やや不良」 23年富山県産水稲、作況指数98

 北陸農政局は13日、北陸三県と新潟県の2023年産水稲の作柄概況(9月25日時点)を発表した。富山の作況指数は「やや不良」の98(前年同期101)で、99~101の「平年並み」を下回るのは07年以来16年ぶりとなった。夏の記録的猛暑などが影響し、10アール当たりの予想収量は前年同期比28キロ減の528キロ。主食用米の収穫量は概算値で16万4700トンと、9300トン減少する見込みだ。

 富山の作況指数は、07年に日照不足の影響で「やや不良」となって以降、「平年並み」から「良」を維持していた。23年産は北陸農政局管内では、石川が100で最も高く、福井が98、新潟が95だった。北陸全体では97で、10アール当たりの予想収量は514キロ(前年同期比27キロ減)となった。

 富山の作柄は、田植え以降好天に恵まれ、初期の生育は良好だった。一方で、7月下旬以降の記録的な高温少雨により、基準を下回る玄米が発生し、収量が低下した。

 北陸農政局の収穫量調査でも、コメが白く濁る「白未熟粒」が大量に見られたという。13日に富山県庁で会見した担当者は「これだけ白未熟粒が多いのは例年にない」と説明した。

 富山の作付面積は3万7800ヘクタールで、前年産に比べて300ヘクタール減少する見通し。管内全体の作付面積は1600ヘクタール減の20万8300ヘクタールとなる見込み。

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