〈いしかわ百万石文化祭2023〉文化に浸る秋開幕 しいのき迎賓館で催し

いしかわ百万石文化祭2023の開幕を祝い、青空に色とりどりの風船を飛ばす来場者=14日午前10時、金沢市のしいのき迎賓館

 いしかわ百万石文化祭2023(第38回国民文化祭および第23回全国障害者芸術・文化祭)は14日、開幕した。金沢市のしいのき迎賓館などではオープニングイベント「文化絢爛(けんらん)」が2日間の日程で始まり、晴天の下、多彩なステージや工芸体験が繰り広げられた。会場には石川の誇る美や技、食を体感しようと、県民や観光客が詰め掛け、11月26日までの44日間に及ぶ「文化に浸る秋」の幕開けを喜んだ。

 芝居小屋をイメージしたしいのき迎賓館の特設舞台では開幕セレモニーが行われた。馳浩知事はあいさつで「秋深し 文化絢爛 金沢城」と一句を詠み、文化祭について「県民のたゆまぬ努力、感性、築き上げた伝統と歴史が集約されて披露される」と力を込めた。

 来場者は馳知事の開幕宣言とともに風船を青空に飛ばし、祭典の始まりを祝った。セレモニー冒頭、和太鼓グループ「輪島・和太鼓虎之介」の演奏に合わせ、書道家阿部豊寿さんが金色の字で「文化絢爛」としたためるデモンストレーションが行われた。

  ●田中、新田さん登壇

 続いて国民文化祭アンバサダーの俳優田中美里さん(金沢出身)とタレント新田さちかさん(同)のトークショーが行われ、2人が文化祭の見どころや、ふるさとの文化が自身に与えた影響について語った。

 ステージ周辺では加賀鳶(とび)はしご登りが披露されたほか、金箔(きんぱく)、加賀象嵌(ぞうがん)、加賀染めの工芸体験コーナーが設けられ、親子連れらが郷土の伝統に親しんだ。和菓子や雑貨の販売、射的などのゲームコーナーもあった。

 共同開催イベント「てんこもり横丁」の会場となったいしかわ四高記念公園には多数の飲食ブースが登場し、観光客らが金沢カレーなど県内各地のご当地グルメを堪能した。本多の森公園では石川の工芸、アート、食などが紹介された。

 会場を訪れた金沢市の会社員米田順さん(59)は「金沢らしく、きらびやかで豪華。県民も観光客も、石川の伝統や食をたくさん体感できる祭りになりそう」と期待した。「文化絢爛」最終日の15日はジャズや手話パフォーマンスのステージ、工芸体験などが繰り広げられる。

  ●15日に両陛下来県

 天皇、皇后両陛下は15日から1泊2日の日程で石川県を訪問され、15日に行われるいしかわ百万石文化祭の開会式に出席する。国民文化祭の開催は31年ぶり2回目で、期間中は県内全19市町で151の多彩な事業が展開される。

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