シーボルト来日200周年式典 蘭独の外交官、子孫ら参列 鈴木市長「友好深める契機に」

シーボルト来日200周年記念式典であいさつするブランデンシュタイン=ツェッペリン氏(中央)と鈴木市長(右)=長崎市、出島メッセ長崎

 江戸時代後期に来日したドイツ出身の出島オランダ商館医フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトの来日200周年記念式典(長崎市主催)が14日、同市尾上町の出島メッセ長崎であり、オランダ、ドイツの外交官やシーボルトの子孫ら約100人が参列した。鈴木史朗市長はあいさつで「(シーボルトは)わが国の近代化に大きな影響を与えた。本日を契機として今後ますますオランダ、ドイツとの友好が深まるよう祈念する」と述べた。
 シーボルトの出島着任から200年になるのを機に、市が実施している記念事業の一環。
 来賓あいさつでテオ・ペータス駐日オランダ臨時代理大使は「シーボルトは時を超えて現在の日常生活にも影響を与えている。例えば、オランダではどの家庭でもアジサイが植えられている。しかしシーボルトが持ち込んだことはあまり知られていない」と紹介。メラニー・ザクシンガー駐大阪・神戸ドイツ総領事は「日本と欧州を取り持つ最も重要な仲介者の一人となった」と、往時の業績をたたえた。
 シーボルトの子孫でドイツ・シーボルト協会会長のコンスタンティン・フォン・ブランデンシュタイン=ツェッペリン氏(70)には、同協会に対する今年の市政功労表彰が伝達され、鈴木市長が表彰状を手渡した。ブランデンシュタイン=ツェッペリン氏は「最初に長崎に来た1989年以来、何回も来ていて(長崎は)故郷のよう」と謝意を述べた。東京都の楠本貞夫氏(72)ら国内の子孫も参列した。
 式典後は記念シンポジウムが開かれ、シーボルトが全国から集まった門人に西洋医学・博物学を伝授した鳴滝塾に関して、県内外の研究者が意見を交わした。15日は国外の専門家も交えた記念国際シンポジウムが同市内で開かれる。

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