佐嘉神社で神幸祭 創建90年記念

神事の後、街中の巡行に向けて出発するみこし=佐賀市の佐嘉神社

 佐賀市松原の佐嘉神社で14日、創建90年を記念した「神幸祭(しんこうさい)」が開かれた。90年の歴史で初めて神社からみこしで佐賀の町を巡り、地域の安全と平安を願った。

 佐嘉神社は1933(昭和8)年、創建された。名君として慕われた佐賀藩10代藩主鍋島直正(閑叟)と、最後の藩主で11代藩主の直大(なおひろ)を祭っている。

 祭りでは、境内で神事や葉隠太鼓の奉納を行った後、神職や雅楽器奏者などの関係者約40人が、衣冠装束や裃、黄色い衣装に身を包み、みこしとともに神社を出発。笙(しょう)や龍笛(りゅうてき)が奏でるみやびな音色ととともに、片田江交差点付近や656広場などを巡行した。松原神社の鳥居近くでは、みこしを止め、宮司が祝詞を上げ、小学生が舞を奉納した。

 神幸祭は創建100年を見据えて、より地域の人たちに神社に親しんでもらおうと、これから毎年行っていく予定。佐野安正宮司は「街のお祭りとして続け、10年後の節目に向けて機運を高めていきたい」と話す。

 15日午後1時からは、弓術奉納が開かれる。音の出る鏑矢かぶらやを射る「蟇目(ひきめ)の儀」と、数人が一斉に矢を放つ「百々手式(ももてしき)」を行う。(福本真理)

松原神社の東側では、みこしを止めて「駐輦祭」を行い、小学生が舞を奉納した=佐賀市
松原神社の東側では、みこしを止め「駐輦祭」を行い、宮司が祝詞を上げた=佐賀市

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