大松明が田園照らす 入善・墓ノ木で祭り

大松明を担いで水護神社に向かう住民=入善町墓ノ木

 江戸時代から続く入善町無形民俗文化財の墓ノ木タイマツ祭りは14日、同町墓ノ木で行われ、水神様に感謝する大松明(たいまつ)の赤々とした火が黒部川右岸の田園を染めた。

 豊作、健康を願う祭りで、神明社で高さ約5メートル、直径約1.2メートル、重さ約500キロの松明に点火し、住民が担ぎ上げて集落を練った。黒部川べりの水護神社までの約800メートルを米つり唄に合わせて運んだ。

 かつて黒部川の洪水で堤防が崩れた際、村人が下流の人にも応援を頼んで復旧工事を急ぎ、夜には神明社前で作った松明を運び、夜を徹して堤防を守ったのが由来とされる。

© 株式会社北國新聞社