ポーランド野党、勝利主張 下院選、政権交代の可能性

ポーランド下院選挙で、野党の勝利を主張する最大野党連合「市民連立」のトゥスク元首相=15日、ポーランド・ワルシャワ(共同)

 【ワルシャワ共同】ポーランドで15日、下院選が投開票された。地元メディアは出口調査の結果として、強権的政策を進める保守与党「法と正義(PiS)」が第1党となるが過半数に届かない見通しだと伝えた。最大野党連合「市民連立」が他の野党との連立で政権を奪取する可能性があり、市民連立陣営のトゥスク元首相は「PiSの支配は終わった」と勝利を主張した。

 ロシアのウクライナ侵攻後、ポーランドは隣国ウクライナに手厚い支援を続けてきた。PiS政権は安価なウクライナ産穀物が流入した際、自国農家の保護を優先し同国との対立が一時激化、支援に懸念が生じる局面もあった。市民連立は支援継続の重要性を主張しており、欧州連合(EU)と足並みをそろえ安定へ向かいそうだ。

 PiS党首のカチンスキ元首相は、「まだ分からないが、希望を持たなくてはいけない」と述べ、政権を維持できない可能性を示唆した。

 出口調査によると、市民連立が連立を組む予定の中道「第3の道」と「新左派」が議席を獲得し、合わせて過半数を上回る見通し。

15日、ポーランド議会選挙で投票する人=ワルシャワ(ロイター=共同)

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