トヨタ自動車東日本の岩手工場(金ケ崎町)は今月、操業開始から30周年を迎えた。北海道、東北で初の完成車工場として誕生。サプライチェーン(部品供給網)を年々拡大させ、ものづくり産業と地域経済をけん引する存在となった。燃費やデザイン性に優れた人気小型車を生産するほか、今後は高級ブランド・レクサス新モデルにも乗り出すなど、時代のニーズに応えながら進化を続ける。
「30周年を迎えられたことは地域の皆さまのご理解、ご協力によるものと感謝している」と藤井雅則工場長は感慨を語る。
記念式典は17日、同町西根森山の現地を会場に、従業員ら100人ほどで行う。藤井工場長や高橋寛寿町長があいさつし、歩みを振り返る。
岩手工場は旧関東自動車工業時代の1993年10月、操業開始した。2005年の第2ライン完成以降、生産台数を増やし、トヨタグループの主力工場に成長。ハイブリッド車(HV)の「ヤリス」「アクア」やスポーツタイプ多目的車(SUV)の「ヤリスクロス」を手がける。累計生産台数は昨年、600万台を突破した。