観光公害で20モデル地域選定へ 環境整備、客足分散を支援

観光庁

 多くの観光客が集中し住民生活に影響が出る「オーバーツーリズム(観光公害)」の抑制に向け、政府が調整している対策パッケージ案が16日判明した。住民や観光業者らが計画をつくり、受け入れ環境整備や客足の分散に取り組む先駆モデルとして全国で約20地域を今後選定するのが柱。政府が適宜支援し、ほかの地域にも参考にしてもらう。

 このほか観光庁は各地の課題解決に向けた相談窓口を直ちに設置し、対策の要点や留意点をまとめた地域向けの指針も年度内に示す方針だ。

 関係省庁会議を近く開きパッケージのとりまとめに向け協議。一部は新たな経済対策に盛り込み、事業費を確保する。

 公共交通機関の運賃を混雑度合いに応じて引き上げる仕組みの活用も想定する。鉄道では、対象区間を明記した計画をつくり、収入の増加が目的でなければ簡易な審査で国が早期に認可する方針を昨年決めた。主に通勤時間帯が念頭にあったが、観光混雑対策にも応用するとみられる。

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