燃料+資材高騰でワイシャツ1枚40円アップも…価格反映できぬクリーニング店「生き残るにはどうしたらいいのか」

長引く物価の高騰はさまざまな業界に及んでいます。衣替えシーズンを迎え、忙しいクリーニング店ですが、現場は燃料や資材の高騰に頭を悩ませています。

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静岡市で60年以上続く老舗クリーニング店では、衣替えのシーズンに突入し、10月に入って来店客が40%ほど増加し、朝から作業に追われています。しかし、クリーニング業界はいま、物価高騰の波にさらされています。

<石川クリーニング 石川秀之代表>
「クリーニング業者は、ほぼ原油に頼った石油製品を使っているので、コロナ前と比べると、ウチでは2割ほど上がっていると思う」

蒸気を使ってしわを伸ばすアイロン。蒸気をつくるボイラーの燃料として、月に1200リットルほどの灯油を仕入れていますが、この1年で10%ほど価格が上昇したといいます。

ほかにも、ドライクリーニングや染み抜きに使う「溶剤」、包装用のビニール袋やハンガーなど、ほとんどが石油由来の製品です。

総務省統計局によりますと、静岡市におけるワイシャツ1枚のクリーニング代は、ここ1年で平均40円も上昇し、250円となりました。高止まりは半年以上、続いています。

値上げを避けるため、店側も工夫を重ねます。ドライクリーニング用の溶剤を使用後に乾燥機で気化させ、再利用しています。

<石川クリーニング 石川秀之代表>
「コスト削減にもなりますし、原油の値段が上がっていてみんなで少しでも無駄にしないように、努力している」

石川さんの店では週2回、取引先や利用客のもとへ届ける配達サービスも展開していますが…

<石川クリーニング 石川秀之代表>
「全然違いますね。ずっと値上がりして来ていますよね。ガソリンというのは」

本業以外でも値上げの影響を受け、苦境に立たされますが、いまのところ価格に反映する考えはないといいます。

<石川クリーニング 石川秀之代表>
「まずお客さんが使ってくれる金額が一番大事になるので、うちではお値段の方は据え置きしている。先を考えて、もっと厳しくなっても生き残るにはどうしたらいいのか、お客さんに店を使ってもらうにはどうしたらよいかというのを考えて、いま動いている状況」

物価上昇で厳しい状況が強いられそうですが、なんとか前を向こうと模索を続けます。

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