別府溝部学園短大生が国東市産オリーブ有効活用 産官学協力、ケーキ試験販売へ【大分県】

試作品を使った別府溝部学園短大の学生
オリーブの塩水漬けを刻んで生地に練り込んだカップケーキ(中央)などの試作品。商品化を目指している

 【別府】別府溝部学園短大食物栄養学科(別府市)の学生と国東市、農家など産官学が協力し、オリーブを有効利用する取り組みを進めている。消費者ニーズを探るため、学生たちが21、22の両日、県農林水産祭「おおいたみのりフェスタ」(別府公園)でオリーブの実を使ったカップケーキを試験販売する。

 県内の産官学による組織「おおいた地域連携プラットフォーム」の実践型地域活動事業の一環。国東市のオリーブ生産量が増えており、オリーブオイルや塩水漬けなどが商品化されている。生産過程で出るオイルの搾りかすや不良果実の廃棄が課題で、有効活用するため本年度、プロジェクトを立ち上げた。

 不良果実の有効活用に向けては、同短大の学生13人が新商品開発を担当。収穫や選別など農家の手伝いもしながらオリーブへの理解を深め、塩水漬けを細かく刻んで生地に練り込んだ大福、ドーナツ、パウンドケーキなどの試作と改良を重ねた。販売のしやすさや、さまざまな世代への受け入れられやすさを考慮し、ケーキ(1個200円)に決めた。

 400個を用意し、同短大ブースで反応を探る。2年の小嶋彩さん(19)、森光潤人さん(20)、後藤基成さん(20)は「レシピ開発は勉強になった。農家の収入につながるような商品の完成を目指したい」と意気込む。今後は試作品の販売を通して商品化を目指す。

 指導する牧昌生教授は「日本人にはオリーブの実を食べる習慣がない。オリーブの魅力を発信し、国東市の土産品になるような商品にしたい」と話している。

 搾りかすは堆肥化するための研究を進めている。

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