長崎大、有事に備えスピーカー設置へ BSL4地域連絡協議会で明らかに

安全管理の重要性についてあいさつする長崎大の永安学長=長崎市坂本1丁目、長崎大

 長崎大は17日、エボラウイルスなど危険な病原体を扱う感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」の運用について地域住民らと意見を交わす地域連絡協議会を長崎市内で開いた。同大は事故などの緊急時に住民への情報伝達手段として屋外スピーカーを設置すると明らかにした。
 同大によると、スピーカーはBSL4がある高度感染症研究センター(同市坂本1丁目)屋上に12月~来年1月ごろ設置。聞こえ方を確認するための実験放送を行うという。地元住民の委員は「有事の際に知らせてもらえ、指示があるのは安心感がある」と述べた。
 このほか、同市防災危機管理室の担当者は市地域防災計画にBSL4に関わる項目を設ける方針を示した。次回(来年2月)の同協議会で素案を明らかにする予定。
 会議冒頭、10月に就任した永安武学長はBSL4の運用について「安全管理、災害対策が重要」とし、「原爆被爆に遭った唯一の医学部を持つのが長崎大。軍事転用されるような研究は行わないことを宣言している」などとあいさつした。

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