両国の活発な交流期待 栃木で駐日ドイツ大使が講演 70人が傾聴

講演するゲッツェ大使

 【栃木】ドイツのフォン・ゲッツェ駐日大使が17日、市内を訪れ、両国の関係性について議場で講演した。とちぎ日独協会の仲介で、市と市議会が初めて議場を会場に企画し、市議や市職員ら約70人が耳を傾けた。

 市内では市出身の文豪山本有三(やまもとゆうぞう)がドイツ文学を翻訳した縁にちなんだドイツビール祭り「オクトーバーフェスト」が毎年開催されるなどの交流がある。

 ゲッツェ大使は明治以降、両国が法律、哲学、文学などの分野で強く結びついてきた経緯を紹介し「関係はかつてないほど良好」と指摘した。日光市の先進7カ国(G7)男女共同参画・女性活躍担当相会合前、担当大臣が栃木市に寄ったことにも触れ、官民双方での緊密な連携を歓迎した。

 パレスチナ紛争の再燃やロシアのウクライナ侵攻、東アジア情勢については、国際秩序への挑戦に強い懸念を示し、「日独両国は価値を共有するパートナーであり、同じような立場や利害、関心を持っている。できる限り協力していくのは自然なこと」と述べた。

 留学の活発化など次世代の交流に期待。「皆さんもぜひドイツを訪れ、栃木とミュンヘンのオクトーバーフェストを比べてほしい」と呼びかけた。

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