「地域の良さ、子どもたち再発見して」 歴史や伝統題材の児童書を寄贈

出版された児童書を受け取る児童たち(野洲市三上・三上小)

 滋賀県内のアマチュア作家などでつくる滋賀県児童図書研究会は、地元の歴史や伝統などを題材に子どもたちの姿を描く児童書「ぼくら滋賀っ子 あかねいろの宝箱」を刊行した。本に登場する三上小学校(野洲市三上)で贈呈式があり、子どもたちに本が手渡された。

 同研究会は、「滋賀の良さを子どもたちに再発見してほしい」と、2013年から平和堂財団(彦根市)の支援を受け、児童書を出版している。6冊目となる今回は、祖母と守山のホタルとの出合いを追った「ほたるの家」、今は閉ざされた鉱山跡を訪れる「どうよ! 土倉鉱山」など、会員が創作した13編が収められている。

 贈呈式には、6年生約30人が参加し、財団の役員から児童の代表に本が手渡された。江戸時代に圧政に反発し一揆を起こした地元農民「天保義民」について授業で学んでいるという女児(11)は、「くださった本を使ってさらに勉強したい」と感謝の言葉を述べた。

 その後、天保義民を学ぶ三上小学校の児童を主人公にした作品を執筆した楠秋生さん(52)=高島市今津町=が自作を朗読し、児童たちは真剣に聞き入っていた。

 千部製作し、県内の図書館などに寄贈される。A5横変形判、168ページ。1540円。

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