「地域の教育力」で連携 講座や教員交流など試み 佐野日大短大と佐野南中

佐野日大短大で体験授業(講義)を受ける佐野南中の生徒たち

 【佐野】佐野日大短大と佐野南中が12日、同短大で「連携教育に関する申し合わせ(書)」を取り交わした。同中の生徒を対象とした講座を同短大が開講するのをはじめ、教職員のスキル向上のための相互交流の促進、同短大の施設・設備、物品の貸与なども行う。同日午後には第1弾の取り組みがスタート。3年生158人が将来の進路も考えながら選んだ保育や医療事務、ビジネスなど10講座を体験学習した。

 同短大が中学と連携教育を行うのは初の試み。小山裕三(こやまゆうぞう)学長は「地域の教育力向上への貢献は最も重視している取り組みの一つ。教職員、学生にとっても技能や意識を高める貴重な機会となる」とし、岡部孝雄(おかべたかお)校長も「より専門的な授業を受けられることは生徒たちの進路、夢の実現に大きな力となる」と期待を寄せる。

 具体的な取り組みとしては、生徒の進路選択の幅を広げるための「中学生による短大での授業体験」といった講座の開講。英語教育で定評のある教授による「スピーチ指導」も実施する。学習環境の一層の充実に向け、同中の生徒たちの同短大図書館の利用なども視野に入れる。

 この日の第1回体験授業で、「観光ホスピタリティ」(50分間)を受けた押山怜菜(おしやまれいな)さん(15)は「先生の講義はとても分かりやすく、観光に関わる仕事に興味がわいてきた」と感想を語った。

申し合わせ(書)を取り交わした佐野日大短大の小山学長(左)と佐野南中の岡部校長

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