フォロワー全国5位の3万人 「ましこラボ」運営・観光インスタ 経済効果7億8000万円

町観光公式インスタグラムの画面

 【益子】観光庁の観光地域づくり候補法人(候補DMO)「ましこラボ」が運営する町公式観光インスタグラムのフォロワー数が3万人を超えた。ましこラボによると、市区町村では全国5位の多さを誇り、インスタによる年間の経済効果を約7億8千万円と推計している。多彩な写真や動画を用いた実用的な情報を柱に、入念な分析を絡めて投稿を工夫し、全国の益子ファンを着実に獲得している。

 観光系の市区町村公式インスタの中で、11万3千人の横浜市以下、福岡市、神戸市、神奈川県葉山町に次ぐ好成績。9月上旬、フォロワーにアンケートし、投稿を契機に来訪した回数や消費金額などから町への経済効果を算出した。

 投稿では、写真や動画の力を生かしながら統一感のある文字のデザインで花畑や陶器市、果物農園、窯元、レストランといった観光地や催し、人気店の雰囲気や特徴を丁寧に紹介している。カフェ、陶器などテーマごとにカテゴリー化し、ガイドブックのように使えるのも人気で、駐車場や地図、交通手段など現地で役立つ情報も提供する。

 プレゼントキャンペーンやアンケート、写真を競う「インスタアワード」などフォロワーとの結びつきを強める企画も展開し、参加者の魅力的な写真を投稿で用いて内容を充実させる循環につなげている。

 好調の裏には、投稿を見た人の数や保存率、プロフィルへのアクセス数などの細かい分析がある。投稿担当の六本木信幸(ろっぽんぎのぶゆき)さん(29)は「経験的な感覚と数字の両面から戦略的に活用することが重要」と強調する。

 今後はイベントでの集客や回遊性の強化、多数のフォロワーを抱えるインフルエンサーとの連携、クラウドファンディングによる商品開発を視野に入れる。

 企画責任者の藤沼俊輔(ふじぬましゅんすけ)さん(38)は「事業者にお金を稼いでもらうのが私たちのミッション。稼ぐツールとしての仕掛けに力を入れ、フォロワー数5万人も目指していく」と意気込む。

町観光公式インスタグラムの画面

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