配達灯油が過去最高値 1リットル110円、先行き見通せず

いわて生協本部内のホームタンクに灯油を入れる配達員。消費者や事業者は「厳冬」のやりくりを熟慮している=17日、滝沢市土沢

 岩手県生協連(飯塚明彦会長理事)は、21日から1カ月間の灯油の配達価格をシーズン当初では過去最高となる1リットル当たり110円(前年同期比1円高)と決めた。一般的なタンク1個分となる18リットル換算は1980円(同18円高)。ウクライナ危機に端を発した原油価格の高騰や円安が影響した。当面は価格を据え置きたい考えだが、中東情勢も絡み先行きは見通せない状況だ。

 盛岡市内で17日、本年度の第1回灯油委員会を開き、いわて生協と県学校生協が配達する灯油(通称・生協灯油)の統一価格を決めた。不定期購入の電話注文は1リットル当たり111円、18リットル1998円となる。

 昨季はウクライナ危機に伴う原油高騰や歴史的な円安を背景に1リットル当たり109円となり、最高額だった2008年の105円を更新。今季は主要産油国でつくる「石油輸出国機構(OPEC)プラス」による協調減産に加え、サウジアラビアの自主減産の影響が大きい。さらに昨年同期を上回る円安が追い打ちをかける。

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