佐伯城跡の国史跡指定を記念し特別展 絵図や記録で近世の山城の魅力紹介【大分県】

初公開の「御城ならびに御城下絵図」(下)など当時の佐伯城や城下町の様子、山城ならではの工夫が分かる史料を展示=佐伯市大手町の市歴史資料館

 【佐伯】佐伯城跡の国史跡指定を記念した特別展「どこがスゴイの?佐伯城」が、佐伯市歴史資料館(大手町)で開かれている。近世の山城として評価される佐伯城の特徴や魅力について、城の絵図や藩の記録、建物に使われていた瓦などの史料から分かりやすく紹介。講演会や現地見学会といった関連行事も催す。12月10日まで。

 佐伯城は初代佐伯藩主の毛利高政が1602年に築城を始め、4年後に完成した山城。中世山城の曲輪(くるわ)構造に近世初頭の石垣技術などを用い、山全体を維持するための工夫が残る貴重な城跡として今年3月、国史跡に指定された。

 特別展では1700年代に修復された後の城や周囲の城下町を詳細に描いた「御城ならびに御城下絵図」、二の丸の屋形の間取りや狭い土地を有効活用するためやぐらを石垣、崖から張り出すように建てた懸(かけ)造りが分かる「二之御丸惣地引之図(そうじびきのず)」、当時の河川土木技術を生かした本丸外曲輪のひな壇状石垣などを再現した最新版の全体模型を展示している。

 関連行事は11月3日午後1時から、さいき城山桜ホールで豊田寛三大分大・別府大名誉教授、千田嘉博名古屋市立大教授、宮武正登佐賀大教授による講演会とトークセッション、同4日午前9時半からは現地見学会(雨天中止)を開く。いずれも無料。

 佐伯市教委社会教育課文化財係の福永素久さん(42)は「当時の城や城下町の様子、山城ならではの工夫が分かるよう心がけた企画展。のぞいてみませんか」と呼びかけている。

 同資料館の開館は午前9時~午後5時(月曜休館)。観覧料は一般300円、小中高生100円(市内在住、通学の児童、生徒は無料)。

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