発声学び、表現力磨く 山形北高音楽科公開レッスン、東京音大教授が指導

発声のポイントなどを紹介する小森輝彦さん(左)=山形市・山形北高

 山形市の山形北高(丹野学校長)音楽科の公開レッスンが18日、同校で行われた。声楽家の小森輝彦東京音楽大教授が講師を務め、豊かな表現力につながる発声技術などを指導した。

 小森さんは日本人で初めてドイツ宮廷歌手の称号を授与された。欧州を舞台に活躍し、帰国後は二期会や新国立劇場などの公演で数多くの主役を担っている。現在は東京音楽大付属高の校長も務めている。

 音楽科の1~3年生計約50人が参加し、生徒を代表し3年の斎藤紗希さん(17)と長橋亜音(あのん)さん(17)が個人レッスンを受けた。小森さんは、声を出そうとする意思と実際の発声行為にはタイムラグがあると指摘。「次の歌詞の意味を考えて呼吸し、表現することが大切」と話し、母音に重点を置かずに発声し滑らかに歌声を響かせる技術を伝えた。

 授業後、斎藤さんは「息の流れを止めない歌い方を練習して今後につなげたい」、長橋さんは「これから歌い続ける上で大切なことを教えてもらった」と話した。

 山形北高は東北・北海道の公立高で唯一音楽科があり、独自の取り組みとして大学教授らを招いた公開レッスンを定期的に実施している。

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