食べる喜び、いつまでも 鶴岡、地元食材使った嚥下食試食会

地元の食材を使った嚥下食を味わう参加者=鶴岡市・湯野浜温泉保養所うしお荘

 鶴岡市内の医療従事者などでつくる「鶴岡食材を使った嚥下(えんげ)食を考える研究会」によるモニター試食会が16日、同市の湯野浜温泉保養所うしお荘で開かれ、地元産のステーキや鮮魚のお造りなどの嚥下食が振る舞われた。研究会は11月から新たに市内の3料理店で提供する予定で、うしお荘を含め計4カ所となる。

 新たに加わるのは「ブランブランガストロパブ」(末広町)「ナチュラリテ」(錦町)「日本料理わたなべ」(野田目)。1~2週間前に予約が必要で、障害の程度やアレルギーなどを確認し、来月1日から料理を提供する。

 試食会には、病気や老化などで食べ物が飲み込みにくくなった嚥下障害の人とその家族の3組が参加した。咽喉がんで嚥下障害となった庄司喜與太さん(76)=大石田町=は「4年ぶりのステーキは格別。素晴らしいごちそうだった」、妻の佳都子さん(73)は「初めての嚥下食だったけどおいしい」と語った。

 研究会の瀬尾利加子事務局長は「皆さんに喜んでもらえてよかった。さらに提供できる店を増やしたい」と話した。

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