写し出す、コロナ禍の宇都宮 元プロボクサーで理容師の船見さん 28日まで写真展

展示作品と船見さん

 【宇都宮】元プロボクサーで現役理容師の写真家船見征二(ふなみせいじ)さん(43)=東宝木町=は写真展「からまで」を中戸祭1丁目の書肆(しょし)ひるねで開いている。28日まで。

 船見さんは新型コロナウイルス感染症の流行が深刻化した時期に市内でスナップ写真の撮影を重ね、今年1月に自身初の写真集「鳩(はと)と烏(からす)と」を出版した。今回は写真集に収めきれなかった作品やその後に撮影した写真などを加えた。

 会場は4畳半ほどの広さで、A4判を中心とした約150枚を壁の上から床まで所狭しと並べた。街なかの風景や街にたたずむ人、カラスなどを、濃い色味と独特の構図で切り取り、コロナ禍の地元の雰囲気を表現した。

 展示タイトル「からまで」は、コロナ禍の市街地で撮影を重ねる中で、撮影対象との出合いは「これから」生じる一方で、撮影した途端に「今まで」に撮った過去の1枚になるという時間軸上の変化に着想を得て付けた。

 船見さんは「宇都宮の街にカメラを向けて感じるものを撮影してきた。展示空間は本とはひと味違う。その雰囲気を味わってもらいたい」と来場を呼びかけている。平日午後0時12分~8時20分、土日午後1時13分~5時17分。入場無料。(問)書肆ひるね080.5745.9111。

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