「学校を追い出されたことを思うと感無量」ハンセン病と診断された男性が75年ぶりに母校へ 国の誤った政策で隔離=静岡

ハンセン病と診断され、静岡県の旧浜岡町(現静岡県御前崎市)の小学校を卒業できなかった87歳の男性が10月19日、75年ぶりに小学校を訪れました。

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<教員>
「おかえりなさい」

母校の御前崎市立第一小学校で約40人の教員に歓迎されたのは、神奈川県川崎市に住む石山春平さん(87)です。石山さんは75年前、旧浜岡町(現在の御前崎市)の小学校に通っていましたが、6年生の時にハンセン病と診断され、退学。国の誤った政策で強制的に隔離されました。

ハンセン病は「らい菌」によって感染する病気で、熱い、冷たいなどの感覚を失い、後遺症が残ることもあり、差別や偏見につながりました。

石山さんは、当時の同級生ともに75年ぶりに母校を訪れ、校内を見学しました。

<石山春平さん>
「70年前に学校を追い出されたことを思うと感無量」

小学校訪問の前には、ふるさとで初めての講演も実現。会場となった御前崎市白羽の増船寺には、石山さんのめいの姿もありました。

<石山さんのめい>
「うれしいですね。おじさんも悪いことしたわけじゃないし、頑張っているから応援したい」

<石山春平さん>
「いまさら、隠しても仕方ないからありのままを見てもらえればよいからってことでね。いまはハンセン病も昔の考えは通用しないからね」

まだ残るハンセン病への偏見を減らすため、石山さんの活動は続きます。

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