幻のサプライヤー「Champion」のユニフォームを着た4つの欧州チーム

シンガーソングライター谷村新司さんの訃報が伝えられ、テレビではアリス時代の名曲「チャンピオン」を耳にすることが増えた。

リングで再起をかける男を讃えるこの歌は、時代を超えて聴く者の魂を震わせる。

この曲を聞きながら、サッカー界のチャンピオンのことをふと思い出した。優勝チームのチャンピオンではない。幻のキットサプライヤー「Champion」のことである。

“キング・オブ・スウェットシャツ”の称号を持つこのアメリカのカジュアルブランドがサッカー界に進出したのは1999年。最初にイタリアのパルマと契約を交わしている。しかし2008-09シーズンを最後にサッカー界から撤退した。

正確には04-05シーズンを最後に一度消え、08-09シーズンに復活している。その間に手掛けたチーム数は確認できる限りで僅か6チームという少なさだ。しかし、多くの人はパルマ以外に名前が浮かばないかもしれない。

ここではその6チームから、画像の掲載が可能な4チームをご紹介しよう。

ウィガン・アスレティック

ウィガン・アスレティック 2008-09 Champion ホーム ユニフォーム

選手:アムル・ザキ

現在はイングランド3部のEFLリーグ1で戦うウィガン・アスレティックだが、Championと契約していたこのシーズンは最高峰のプレミアリーグを11位で終えている。

90年代からサプライヤーを比較的頻繁に変えるクラブだったが、Championともこの1シーズンのみで契約は終了となった。

このシーズンは同ブランドが4年ぶりにサッカー界へ復帰したシーズンだったが、同時にこの1年間の活動を最後に姿を消している。1年での終了はサプライヤー側の事情だった可能性が高い。

ウェールズ代表

ウェールズ代表 2008 Champion ホーム ユニフォーム

選手:サイモン・デイヴィス

Championの数少ないサプライヤーチームにウェールズ代表も含まれている。同ブランドが担当した唯一の代表チームだ。

手掛けたのは2010年南アフリカW杯・欧州予選などで着用した2008モデルのみ。このキットの使用期間は2008-10年で括られているでの、サッカーのサプライヤーとして活動した最後のチームはウェールズとなるだろう。

ウィガンと同様にブランドロゴは右胸の“Champion”のみで、2000年代前半までの特徴だった袖の「C」ロゴ連打スタイルは使われていない。

ソショー

ソショー 2003-04 Champion ホーム ユニフォーム

選手:ブノワ・ペドレッティ

破産の危機に瀕していると今夏報道され注目を浴びたフランスの古豪ソショー。このクラブはパルマに次いでChampionとの付き合いが長いクラブだ。

同ブランドとの契約期間は2000-01から03-04までの4シーズン。とくに優れたデザインは、袖の「C」ロゴも懐かしいこの03-04モデルかもしれない。

胸のエンブレムはクラブのルーツである自動車会社「PEUGEOT(プジョー)」の当時のロゴマークと同じ。そしてガソリンスタンドでお馴染み「ESSO」の胸ロゴ。車に関連する2つのロゴを同時に拝めるデザインは、自動車好きにも好評だった。

パルマ

パルマ 2001-02 Champion ホーム ユニフォーム

選手:中田英寿

Championのサッカーユニフォームとなると、やはりパルマだろう。中田英寿の在籍期間とぴったり重なることもあり、ここ日本では一定の年齢以上のサッカーファンにとって「パルマ=Champion」のイメージは強いかもしれない。

パルマとの契約期間は1999-2000から2004-05までの5シーズン。中田の移籍1年目となった01-02モデルは、日本で最も有名なChampionのサッカーユニフォームだろう。

パルマ 1999-2000 Champion GKアウェイ ユニフォーム

選手:ジャンルイージ・ブッフォン

パルマとChampionに両者にとって最初のシーズンである99-00モデルはGKユニフォームも素晴らしいデザイン。

ジャンルイージ・ブッフォンも着たGKアウェイユニフォームはブラックとピンクの配色が鮮烈。90年代のセリエAを代表するユニフォームとして現在でも高い人気を誇る。

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