【ミャンマー】ロヒンギャ支援金不足、計画の4割=国連[社会]

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は17日、イスラム教徒少数民族ロヒンギャへの支援に関するハイレベル会合で、ロヒンギャへの支援資金が今年、計画の4割しか集まっていないと明らかにした。

会合はタイの首都バンコクで英米両国政府と共催した。UNHCRによるロヒンギャの人道危機のための共同計画では、今年8億7,600万米ドル(約1,312億円)を集める予定だった。しかし、10月時点の達成率は42%。資金不足で、難民への食料や資材、燃料、衛生設備などの支援が十分に行き渡っていないことが議題になった。

一方、英国政府はこの会合の中で、450万ポンド(約8億2,000万円)をロヒンギャ支援のために新たに拠出すると発表した。英国が2017年以降にロヒンギャ難民と受け入れ地域への支援に拠出してきた金額は、バングラデシュのロヒンギャ支援に3億7,000万ポンド、ミャンマー西部ラカイン州のロヒンギャやその他のイスラム教徒少数派のために3,000万ポンドに達した。

会合には、ロヒンギャ難民の受け入れ国や支援国の政府代表、難民支援団体や国連機関、非政府組織(NGO)、シンクタンクなど各国から150人が参加した。ロヒンギャ難民最大の受け入れ国であるバングラデシュのモメン外相や、英国のトレビリアン外務・英連邦・開発省(FCDO)閣外相(インド太平洋担当)も出席した。

ミャンマーで迫害を受け、周辺国に避難して暮らすロヒンギャ難民の国別の人数は、バングラデシュが96万人、マレーシアが10万2,000人、インドが1万8,000人。インドネシアとタイにもそれぞれ数百人の難民が居住している。

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