【マレーシア】みずほ銀行、24年度予算案や税改正を解説[金融]

マレーシアみずほ銀行は「マレーシア予算セミナー」を開催した=19日、クアラルンプール(NNA撮影)

マレーシアみずほ銀行は19日、「マレーシア予算セミナー」を開催した。同銀の担当者らが、マレーシア政府が13日に発表した2024年度国家予算案の概要と、税制改正案について解説した。約100人が参加した。

冒頭であいさつしたマレーシアみずほ銀行の藤原敏晴社長は、現政権の取り組みについて、「エネルギー移行ロードマップ(行程表、NETR)」に注目すべきだと指摘。「政府は今後、再生可能エネルギーの事業に積極的な投資を行うと宣言しており、日系企業にとっても大きな関心事になる」と述べた。

セミナーの第1部では、マレーシアみずほ銀行資金課の内田塁マネジャーが予算案の概要とリンギ相場の動向について解説。予算案の内容について、「マレーシアが抱える課題を乗り越え、企業の高コスト体質と低い収益性、グローバル競争力の欠如といった悪循環から脱却したいというアンワル・イブラヒム首相の強い思いが読み取れる」と述べた。

一方、リンギ相場については、現在は歴史的な安値となっているが、23~24年末までに買い戻しが進み、リンギ高になると予想した。

■電子インボイス、適用前倒しに注意

第2部では、大手会計事務所KPMGマレーシアの渡辺和哉エグゼクティブディレクターと石渡久剛エグゼクティブディレクターが登壇。予算案における税制改正案と、最新の税務動向について解説した。

渡辺氏は、税務施策のうち、増税、投資促進、ESG(環境・社会・企業統治)、個人の所得控除の拡充を中心に解説。サービス税の税率を現行の6%から8%に引き上げる方針については、「サービス税込みで払っている経費が2%増える見込みを、来年度予算などに織り込む必要がある」と助言した。

石渡氏は、電子インボイスと移転価格文書について紹介した。電子インボイスの全面適用が27年1月から25年7月に前倒しされたことに注意を促した。

第3部では、元プロ野球選手の広澤克実氏が「野球界におけるリーダー論」をテーマに、オンラインで登壇した。

マレーシアみずほ銀行は20年以降、新型コロナウイルスの影響でオンラインのセミナーを行っており、対面の実施は4年ぶりとなった。

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