9月の消費者物価、2.8%上昇 食品値上げ続く、伸び率は鈍化

全国消費者物価指数の動き

 総務省が20日発表した9月の全国消費者物価指数(2020年=100、生鮮食品を除く)は、前年同月比2.8%上昇の105.7だった。伸び率は8月の3.1%から鈍化したものの、食料品や日用品など幅広い品目の値上げにより、伸び率は高水準が続いた。物価指数が前年同月を上回るのは25カ月連続。

 品目別では、生鮮食品を除く食料が8.8%上がった。原材料費や輸送費の上昇を販売価格に転嫁する動きが続き、レトルトカレーやアイスクリーム、炭酸飲料などが値上がりした。

 宿泊料は17.9%上昇した。新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐ中、インバウンド(訪日客)の増加で料金を高く設定する宿泊施設が多かった。国内の旅行需要も強かった。

 トイレットペーパーなど家事用消耗品は12.7%上昇。携帯電話の通信料も10.2%上がった。

 エネルギーは11.7%低下した。このうち、電気代が24.6%、都市ガス代が17.5%それぞれ下がった。燃料や原料となる液化天然ガスなど資源価格の下落と、政府による価格抑制策が影響した。

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