「なぜこんなのどかな場所で」 近隣住民、驚きや不安 上三川女性死体遺棄事件

女性の遺体が発見された乗用車(中央)=19日午前7時5分、上三川町坂上

 「なぜこんなのどかな場所で」。栃木県上三川町坂上の路上で19日未明、乗用車内から10~20代とみられる女性の遺体が見つかった死体遺棄事件。現場は住宅が点在し田畑が広がるのどかな地域で、住民からは驚きや不安の声が聞かれた。

 近くの無職男性(65)は同日午前3時半ごろ、トイレに起き、家の前を走るパトカーと救急車を目撃した。「何か事件だと思った。30年以上住んでいて初めて」。普段車が止まるような場所ではなく、「なぜここへ来たのか」と不安げに語った。

 同所、農業男性(77)は「昨夜(18日夜)の段階では何もなかった。早朝に、娘から『サイレンが鳴っている』と言われ何事かと思った。こんな所で事件なんて今までなかった」。

 現場近くには小学校がある。同所、農業男性(67)は「小学生の孫がいるので、やっぱり不安です」と胸中を明かした。

 死体遺棄容疑で現行犯逮捕された男(28)の埼玉県熊谷市内の自宅周辺にも驚きが広がった。容疑者男と面識のある高齢女性は今年の春先に外であいさつを交わした。「会社を辞めた」「仕事を探しに行く」などと話していたという。「普通の社会人という印象」と振り返る。

 別の80代女性は「まさかそんなことをするとは」と驚きを隠さなかった。

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