ゴルフクラブ製造のササキ、自社ブランド立ち上げへ オリジナルクラブ商品化、第1弾は2024年春ごろ

初の自社ブランドのゴルフ製品を発売するササキ本社=鹿沼市内

 ゴルフクラブ製造のササキ(鹿沼市御成橋町2丁目、佐々木政浩(ささきまさひろ)社長)が、初の自社ブランドを立ち上げる。大手ゴルフメーカーにクラブを供給してきたこれまでの技術力やノウハウを生かし、オリジナルクラブの商品化を進めている。生産拠点も新設し、第1弾として2024年春ごろ、ドライバーの販売を目指す。クラブ一式の製造・販売も視野に入れており、新たな収益源にしたい考えだ。

 ササキは現在、相手先ブランドによる生産(OEM)で国内外の大手ゴルフメーカー約10社のクラブ製造を担っている。クラブの開発から設計、鍛造、機械加工、研磨、塗装まで一貫対応し、年間約70万本を製造する。

 OEMで培ってきた技術力などを生かし、自社ブランドも確立しようと、3年前にオリジナル製品の開発に着手した。自社製品を通じて顧客の評価を直接聞き、品質などのさらなる向上を図る。ブランド名は検討中。

 最初の自社ブランド製品として商品化するのがドライバー。同社によると、ドライバーヘッドは主にチタンが使われている。ヘッドの中を空洞にするためには特殊な溶接が必要で、高い技術力が求められるという。

 改良を重ね、現在は試作品の5作目。開発担当の佐々木恭太郎(ささききょうたろう)専務は「中途半端なクラブは出したくない。飛距離、音、直進性、見た目。全てにこだわりたい」と力を込める。

 現在、自社の富岡工場(鹿沼市富岡)の敷地内に、自社ブランド製品などの生産拠点となる新工場(延べ床面積約1320平方メートル)を整備している。生産性向上や人手不足に対応し、24時間無人・自動で生産するエリアも設けるという。総投資額は6億5千万円で、一部は国の事業再構築補助金を活用する。稼働は来年5月を予定している。

 自社ブランド製品はインターネットなどでの販売を想定しており、国内をはじめ、ゴルフが盛んな東南アジアやアメリカ市場での販売も目指す。

 佐々木社長は「ササキの社運がかかっている。お客さまの声を聞き、より良い製品をつくっていきたい」と話している。

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