ブッキング・ドットコムから宿泊施設への未払い問題 施設オーナー「一番膨らんだ時で1000万円」

世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキング・ドットコム」で宿泊施設への未払いが相次いでいる問題。

岐阜県の施設のオーナーらが10月20日、損害賠償を求める集団訴訟を起こしました。

集団訴訟を起こしたのは、全国で宿泊施設を経営するオーナーら10人です。

宿泊施設では、客がブッキング・ドットコムを通して予約と支払いを行っていますが、オーナーらの施設ではブッキング・ドットコム側からの宿泊費数万円から1000万円以上が支払われていないということです。

従業員への給与が支払えないなどの損害が発生しているとして、オーナーらは10月20日、ブッキング・ドットコムの日本法人とオランダにある本社に対して総額約3600万円の賠償を求める訴えを起こしました。

この未払い問題は、東海地方でも起きています。

こちらは、岐阜県の奥飛騨温泉郷にある旅館「風屋(かぜや)」。

源泉掛け流しの露天風呂や趣あるたたずまいが特徴で、現在、高山市や関西方面で8つの旅館を運営。

今後、新たに2つの宿を開業予定といいます。

実は、ことし6月からグループの3つの宿泊施設でブッキング・ドットコムの未払い問題が起きているといいます。

(風屋グループ・奥飛騨統括)
「風屋ではこの4件。『支払い手続き完了』と書いてある。だけどこちらには着金していません」

風屋によりますと、客からブッキング・ドットコムに宿泊の支払い手続きが完了しているはずなのに、日本法人から宿への払い込みが滞っているとのこと。

(風屋グループ・松尾政彦代表)
「一番膨らんだときで1000万円超えています。現状で600万円ほど」

この影響で風屋グループでは、頭の痛い問題が様々起きています。

(松尾政彦代表)
「信用の失墜、食材費の支払いが遅れる。従業員にも8月に『ごめんなさい。2日か3日ほど待ってください』というお話もしました。頭下げまくりの毎日で苦痛でしかない」

宿に泊ってくれる外国人観光客のほとんどがブッキング・ドットコムを通しての予約だということで、利用そのものを今後やめる予定はないといいます。

ブッキング・ドットコム側は、18日に松尾代表ら宿泊施設のオーナーたちと話し合いの席につき謝罪はあったといいますが…

(松尾政彦代表)
「内容を理解せずにきたので、代理人も社長も。なので話にならない」

いまだ、なぜこんな事態になったのか、納得いく説明はないということです。

(松尾政彦代表)
「裁判をしていきながらブッキング(ドットコム)側がどのように出てくるのか、それを見守りながらやっていく」

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