がん患者ではないのに…前立腺を全摘出 検査時に患者2人の検体を取り違え 静岡県立総合病院で医療事故

静岡県立総合病院は2023年7月に実施した前立腺がんを治療するための前立腺摘出手術で、検査時に患者2人の検体を取り違え、本来は前立腺がんを患っていない患者に対し、手術をしていたことを10月20日の記者会見で明らかにし、謝罪しました。

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<病院の関係者>
「心から深くお詫びを申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」

静岡県立総合病院によりますと、2023年4月、前立腺の疑いがある患者に対し、検査を実施した際、採取した患者2人の検体を取り違え、本来は前立腺がんを患っていない60代男性に対し、前立腺を全摘出する手術を行ったことを発表しました。

被害を受けた60代の男性は、尿漏れや男性機能不全などの症状が出ているということです。一方、本来は前立腺がんを患っていたもう1人の患者の80代男性は、検体の取り違えにより、治療に5か月ほどの遅れが出たということです。

県立総合病院は独自の調査委員会を立ち上げ、原因の追及したところ、検体容器と患者の情報が入ったリストバンドを照合する認証手順がないことで取り違えが発生した可能性があると発表しました。

病院は、被害を受けた2人の患者に謝罪を行い、賠償金を支払うなどの対応を予定しています。

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