合意とは異なる「1大学2校」を正式案に 静岡大学と浜松医科大学の統合・再編問題 交渉は難航か

静岡大学と浜松医科大学の統合・再編問題について、静岡大学は10月18日、4年前に結んだ合意とは異なる「1大学2校」を正式な案にすることを決めました。しかし、浜松側からの反対意見は根強く、今後の協議の行方は依然として不透明です。

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<静岡大学 日詰一幸学長>
「最終的には『静岡大学のビジョン』ということで、一応、みなさんがもろ手を挙げて賛成というわけではなかったですけれど、会議としてそれをお認めいただくということになりました」

6時間にわたる会議を経て、自ら提案したプランの了承を取り付けた静岡大学の日詰一幸学長。浜松医科大学との統合・再編について、2019年に結んだ合意とは異なる「1大学2校」を静岡大学としての正式な案にすることを決めました。

<静岡大学 日詰一幸学長>
「ただし、それだからと言って『合意書を白紙にする』ということではございませんので」

そもそも、静岡大学と浜松医科大学の統合・再編をめぐっては、4年前に2つの法人を統合した上で、静岡と浜松に新しい大学をつくる「1法人2大学」案で合意していました。

しかし、反対意見は今もくすぶり続けています。

<静岡大学浜松キャンパス 笹原惠情報学部長>
「わたしたちは合意事項というのは『2つの大学法人を統合して、静岡側・浜松側の大学をつくる』ということが合意事項の核になるものだと思っているので、『1大学2校』というのは、そこから外れているものだと認識しています」

静岡大学は、10月25日の役員会で「1大学2校」案を正式に決定し、早ければ、10月末の協議会で、浜松医科大学とあらためて交渉したい考えです。

静岡大学の決定を受け、浜松医科大学の今野弘之学長は「白紙撤回をしないことを明言されたことを歓迎する」と述べた一方で「浜松キャンパスが反対している中で、成案とされたことは遺憾である」とくぎを刺しています。

もともとの合意内容とは異なる形になるため、静岡大学と浜松医科大学の交渉は難航することが予想されます。

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