「生活苦で紙おむつ乾かし再利用」母親の声聞き、1万枚を市に寄贈 大津の小児科医院

大津市に寄贈する紙おむつと液体ミルクの目録を市幹部に手渡す浅井さん(左端)=大津市役所

 小児科医院「あかい家のこどもクリニック」(大津市大江7丁目)を営む医療法人杏華(あんはな)会は18日、子育て支援や防災対策に役立ててもらおうと、大津市に紙おむつ1万枚と液体ミルク(200ミリリットル)500本を寄贈した。

 災害時に避難所で活用できるようにと、同法人は2020年から毎年、市に備蓄用液体ミルクの寄付を続けており、今回、新たに紙おむつも加えた。紙おむつは、市が子ども・子育て安心課で困りごと相談を受ける際に要望があれば配るほか、困窮世帯支援を担う市社会福祉協議会での配布も見込んでいるという。

 市役所で贈呈式があり、同法人の浅井大介理事長(52)が安孫子豊福祉部長らに目録を手渡した。浅井さんは「『生活が苦しいので汚れた紙おむつを乾かして再利用している』との母親の声を聞いたことがあり、何かしなければと考えた」とおむつ支援を思い立った理由を説明し、「おむつ配布を通して、声を上げられなかった人たちが行政とつながってほしい」と話した。

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