県またぎ禁止の見直し要望 中学クラブ出場でスポーツ庁

全中で行われたバレーボール男子の試合。地域スポーツクラブが参加した=8月、松山市

 公立中学校の休日部活動の「地域移行」に関連し、在籍する学校の所在地と異なる自治体の地域スポーツクラブから大会出場が認められなかった事例があったとして、スポーツ庁が見直しを要望したことが21日、分かった。同庁は生徒の運動機会が制限されることを懸念し、日本中学校体育連盟を通じ、都道府県の中体連に対応を促す。

 関係者によると、こうした問題は「県またぎ禁止」と呼ばれる規定が影響している。背景には、クラブに広域から有望選手が集まり「勝利至上主義」が助長されることへの強い不安などがある。

 部活動の地域移行に伴って、学校単位の参加を原則としてきた全国中学校体育大会(全中)は2023年度から地域スポーツクラブなどの出場を認めた。一部では「県またぎ禁止」により選手が希望したクラブから予選に出られないケースが発生。地域移行の過渡期で表出した課題といえそうだ。

 スポーツ庁は、少なくとも在籍する学校に該当する部がない場合は、違う都道府県のクラブから参加を認めるべきだと指摘。来年度に向けた検討を求めている。

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