秋月辰一郎、壽賀子さん夫妻の墓前祭 「世界平和に向け活動」誓う

秋月夫妻の墓前に花をたむけ、手を合わせる参加者=長崎市石神町

 長崎の反核平和運動をけん引した被爆医師の秋月辰一郎さん(2005年に89歳で死去)と妻の壽賀子さん(20年に102歳で死去)をしのぶ墓前祭が辰一郎さんの命日の20日、長崎市石神町の墓地であった。夫妻と親交があった人や遺族ら約30人が集まり、核兵器廃絶や世界平和に向け活動を続けると誓った。
 夫妻は爆心地から1.4キロの浦上第一病院(現・聖フランシスコ病院)で勤務中に被爆しながらも、負傷者らの救護活動に奔走。アニメ映画「NAGASAKI 1945 アンゼラスの鐘」のモデルにもなった。辰一郎さんは長崎平和推進協会の初代理事長を務め、ながさき平和大集会の開催を呼びかけた一人でもある。
 墓前祭は、辰一郎さんの生誕100年にあたる16年から実行委(三根眞理子代表)が毎年開催。参加者は献花し、黙とう。夫妻との思い出を語り合った。
 「被爆体験を語り継ぐ 永遠(とわ)の会」の杉本恭子さん(71)は、第1回のながさき平和大集会開催前の本紙記事を朗読。「意見の対立がありながらも、核兵器廃絶と平和を目指す人間同士共に語り合う場があっても良いのではないか」という辰一郎さんの言葉を紹介した。
 平和運動を共にした平野伸人さん(76)は「(大集会は)できるわけないと思っていたが、秋月先生が努力され実現した。大集会がなければ高校生平和大使も生まれなかった」と功績をたたえた。

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