奨学金得て学問 高志の国文学館・キーン展

展示された資料に見入る来場者=富山市の高志の国文学館

  ●学芸員が若い頃を解説

 富山新聞創刊100年の企画展「ドナルド・キーン-世界から見た日本文学展」(高志の国文学館、富山新聞社主催)は22日、富山市の同館で学芸員によるギャラリートークが行われた。大川原竜一係長が展示資料を紹介しながら、飛び級で大学に進学し、奨学金を得て学問に励んだキーン氏の若い頃を解説した。

 キーン氏は飛び級を繰り返し、若干16歳でコロンビア大に入学。太平洋戦争後、同大大学院やケンブリッジ大を経て、京都大に留学し、いずれも奨学金を得ながら日本文学の研究などに打ち込んだ。大川原係長は「研究テーマを奨学金を受けやすいものにするなど、あらゆる手を尽くして活動していた」と説明し、キーン氏の努力を強調した。

 企画展にはキーン氏の直筆原稿や手紙、写真、著作など244点が並ぶ。ギャラリートークは11月19日にも実施される。

 同12日には関連トークイベント「国際交流員が語る『日本人と日本文化』」が行われる。申し込みが必要で定員100人、無料。

 企画展は11月27日まで。観覧料は一般500円、大学生250円、高校生以下は無料。

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