「恐竜王国」玄関口、福井駅の新ランドマークへ…ロボットティラノが全貌 全長12m、高さ5.6m 新幹線開業合わせスコミムスと2体追加

全身が組み立てられたティラノサウルスのロボット。今後、細部の造形や着色が進められる=9月28日、東京都羽村市

 来年3月の北陸新幹線県内開業に合わせ、福井県がJR福井駅西口エリアに追加設置する恐竜ロボット2体の制作が東京のメーカーで進んでいる。このうちティラノサウルスの全身が初めて組み立てられ、全長12メートル、高さ5.6メートルの迫力ある全貌が現れた。観光客らに「恐竜王国福井」をアピールし、新たなランドマークになりそうだ。

 西口エリアには現在、県が2015年3月の北陸新幹線金沢開業に合わせて設置した全長10メートル、高さ6メートルのフクイティタンなどの恐竜ロボットが3体ある。駅西口を出て正面にスピノサウルス類のスコミムス(全長10メートル、高さ4メートル)、左手奥のハピリン前にティラノサウルスを追加する予定。

 新たな2体の制作は、県が恐竜ロボットメーカー「ココロ」(東京都羽村市)に約2億2千万円で委託。同社は9月28日、確認作業のために工場で初めて全身を組み立てた。

 金属の骨格や内部の機械をウレタンスポンジで覆い、大まかなシルエットができた段階だが、体の左側面で枯れ木をなぎ倒すデザインは既に迫力十分。設計した制作プロジェクトリーダー、金井久典さん(50)は「(現在設置されている)フクイティタンがすっぽり入るサイズ」と説明する。

 再び分解された現在は、細部の造形を進めており、今後着色する。鳴き声は動物の声を加工し、トラやライオンを多めにして牛なども取り入れ、うなって響くような声にする予定という。スコミムスは現在、設計段階。福井駅東口エリアでは福井市がトリケラトプスのロボットを整備する計画もある。

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 ココロはこれまで福井駅のほか、県立恐竜博物館や北陸自動車道下り線南条サービスエリアに設置されている恐竜ロボットを制作。ロンドン自然史博物館など国内外で500体以上手がけている。上田淳社長(63)は「屋外で動く恐竜ロボットは福井県だけ。恐竜県のアピールに協力していけたら」と話した。

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