オール福井ロケの映画「おしょりん」先行公開で舞台挨拶 福井県で北乃きいさんや小泉孝太郎さん、森崎ウィンさんら思い語る

映画「おしょりん」の福井先行公開を記念して舞台あいさつをする主要キャストら=10月20日、福井県鯖江市の鯖江アレックスシネマ

 福井の眼鏡産業の黎明期を描き、オール福井ロケで制作された映画「おしょりん」が10月20日、全国に先駆けて福井県内四つの映画館で公開された。明治期の麻生津村(現福井市)の村民たちの眼鏡作りにかける情熱と技術をものにしていく粘り強さや、福井の県民性やものづくり精神が詰まっており、世界に誇る眼鏡産地の礎を築いた先人の姿に観客は心を熱くしていた。

 鯖江市の鯖江アレックスシネマで舞台あいさつがあり、増永五左衛門の妻むめを演じる主演の北乃きいさんや小泉孝太郎さん、森崎ウィンさん、児玉宜久監督らが登壇した。

⇒主要キャストが語る作品や福井への思い

 約300人の観客を前に北乃さんは「(福井県民が眼鏡作りに対し)努力を惜しまず、一つになってあきらめない姿を見てもらいたい」と話し、小泉さんは「世界に誇る福井の人物を、県外出身の自分が演じていいのか不安もあったが、県民の方にたくさん声をかけてもらいスイッチが入り演じきれた」と述べた。

 60年以上眼鏡製造に携わる永山茂さん(78)=鯖江市=は作品を見終え、「良い眼鏡を作ろうとする職人の魂に涙が出た。実際の眼鏡作りの苦労もよく分かる。福井の眼鏡にさらに誇りを持った」と感動を語った。

⇒【写真多数】舞台挨拶や観客でにぎわう映画館

 原作は作家藤岡陽子さんの同名小説。寒村の冬場の仕事として眼鏡産業を根付かせ、村民の暮らしを助けたいと考えた増永五左衛門(小泉さん)と幸八(森崎さん)兄弟の物語。

 昨年2月から4月にかけて県内11市町で撮影。国重要文化財の旧谷口家住宅(越前市)、萩野小旧笈松分校(越前町)などがロケ地となった。「おしょりん」制作委員会によると、県内50を超える団体からボランティアスタッフが参加した。全国公開は11月3日。

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