子連れ海外旅行におすすめの国ベスト3+α!旅行会社の人に聞いた【お得な裏ワザも】

大手総合旅行ブランドの一つ、エクスペディアグループホールディングス(株)代表取締役 兼 エクスペディアグループ リテール日本統括ディレクターの木村 奈津子さんに、子連れ海外旅行で気をつけるべきポイントと、おすすめの国や、お得に海外旅行ができる裏ワザを教えてもらいました!

子連れ海外旅行どこに行く?行き先を選ぶポイント3つ

コロナによる規制緩和がなくなり、旅行の需要が増えている2023年。海外旅行の傾向は、どうなっているのでしょうか。

木村さん(以下、木村)「海外旅行の需要は戻ってきているんですが、地域差がかなりあります。特にアジアに関しては近いし、為替に関してもそこまで悪くはなく、元々の物価が安いということもありまして、比較的手頃で、簡単に行ける旅行先としてかなり需要が伸びています。

その中で、子連れ旅行に関しては、例えばお子さんが生まれる前に海外に行かれていた方が、『やっぱり子どもも海外に連れて行きたいな』という形で、ご自身が行ったことがある国を再び訪れるような旅が多いのではないかなと思っています」

そんな中で、多くの国を訪れたことのある木村さんが、子連れ海外旅行で考えるべきポイントを教えていただきました。

1:フライトの時間が短く、時差が少ない

木村さんがまず挙げたポイントは、フライト時間の短さ。海外旅行のネックは、やはり到着するまでにかかる時間です。移動だけで子どもがグズったり機嫌が悪くなってしまっては、せっかくの旅行が台無しになってしまうかも。

木村「あまり立って歩いたりできない飛行機の中で過ごすことを考えると、フライト時間はできるだけ短いほうがいいですよね。

あとは、時差。時差が大きい国に行くと、せっかく行っても半日ずっと寝ているというようなことになります。さらに子どもの時差ボケにも付き合って…となると、とても大変。なるべく時差がない、あっても1、2時間くらいの場所がいいかと思います」

2:治安が良い

子連れであれば、大人だけの旅行のときよりも特に慎重に調べたほうがいいのが治安の良し悪し。

木村「やはり海外となるといろいろなことが想定されるし、リスクも高いので、なるべく安全なところを選ぶという観点も必要ですね」

3:国内の交通の便が良い

旅行先に到着してからの移動もあります。交通機関が整っているかどうかも子連れの場合はより重要!

木村「お子さんが3歳ぐらいまでは特に、ベビーカーで移動することも多いですよね。比較的タクシー料金が安く、タクシー1台で移動しやすいコンパクトな街であったりとか、またはレンタカーで行けるようなところがたくさんあったりとか、そのあたりの交通の便の良さも選ぶポイントになると思います」

子連れ旅行に最適!海外旅行の達人が選ぶおすすめの国ベスト3

3位:ハワイ

木村さんが選んだ子連れ旅行おすすめの第3位はハワイ! 飛行機で片道7時間半くらいのフライト時間がかかるので、1週間くらいのゆったりした滞在がおすすめとのこと。

木村「王道ですが、やはりハワイは間違いないと思います。物価という意味では、やっぱりアジアに比べると今はすごく高くなっているので、毎回外食ではなく、地元のスーパーでお買い物をして、ちょっとしたキッチンがあるようなコンドミニアムに泊まって自炊もしていただくのがいいかと思います。それはそれでまたすごく面白いんですよ。

自分で作るのが面倒な方は、フードトラックもたくさん来ているので、そこでお弁当を買ってホテルで食べるのもいいと思います。レストランでの外食ももちろん素敵ですが、長期滞在になってくると毎回の外食は厳しいと思うので、その辺をうまくミックスしていただけるといいかなと思います。

ただ時差が19時間とかなりあるので、スケジュールは余裕をもって組んでいただくのがおすすめです。あまり予定を詰め込むのではなく、到着後の1日目はホテルのそばのビーチで過ごして、ちょっとスーパーに寄るぐらいの感じにしておくといいと思います」

ハワイの魅力は、スケールの大きなビーチを含む大自然、そして行って感じてみないとわからないカラッとした過ごしやすい気候だそう。アトラクションを詰め込むのではなく、そうしたハワイの空気を感じるゆったりした滞在がおすすめだと木村さん。

木村「ハワイでは日本の免許で運転できますので、可能だったらレンタカーを借りて、ワイキキだけではなくて、東海岸やノースショアのタートルベイなども回っていただけるといいかなと思います。素敵なビーチがハワイにはたくさんあります。

もちろん、ナイトクルーズとかシュノーケリングなどのマリンアクティビティも充実しているので、そういったアクティビティを予約されるのもいいかと思います。でも基本的にはギチギチに予定を詰め込まず、のんびり過ごすのがおすすめですね。

さらに言うなら、ホテル選びもすごく大事。やっぱり海がすごくきれいだし、スケール感がまったく違うので、多少コストがかさんでもオーシャンビューの部屋一択です。例えば朝、スーパーでパイナップルなどの食材を買って、キッチンで朝食を作って、海を見ながら食べるという数時間の価値がぐっと増すと思いますよ」

シンガポール イメージ

2位:シンガポール

木村さんのおすすめの2位は、日本からフライト時間6~7時間ほどで行けるアジアの国、シンガポール。

木村「台湾ほどは近くないですが時差が1時間と少なく、治安も良い国です。『ガムを捨てたら罰金が取られる』というような厳しいルールがあったりするほど、街中はすごくきれいで清潔ですし、そこは大きなポイントかなと思います。

タクシーも初乗りで400円くらい。さらにタクシーでどこにでも行けてしまうくらいコンパクトな国です。

街歩きがメインの台湾に比べると、シンガポールにはいろいろなアトラクションやレジャー施設が多くあります。ユニバーサルスタジオ、動物園、水族館など、すごくわかりやすい子ども向けの施設が多いので、そういった場所にタクシーでさっと行って、いくつか回るだけでも楽しいと思います。

ナイトサファリもすごく有名です。あまり小さいお子さんだと寝てしまう時間ですが、3歳以上ぐらいのお子さんであれば非常におすすめです」

料金面でも、シンガポールは場所さえ選べばそこまで高くはないそう。

木村「食費に関してはレストランによって差があります。地元の方たちが行くような場所は比較的リーズナブルですが、観光地のにあるようなアメリカンフードや日本食などのレストランは急にお値段が高くなります。

なるべく地元の方が行くようなホーカー(屋台が集まるフードコートのような場所)に行くのがおすすめです。ガイドブックにもたくさん情報が載っているので、気になる場所を調べてから行くのがベストです。

そしてシンガポールで気をつけなければいけないのは、室外と室内の気温差! 外はとっても暑くてトロピカルな気温なのに、室内はクーラーがガンガンにきいていて17~18度くらいなので、半袖だけだと風邪をひいてしまいます(笑)。常夏の国ですが、上着はマストで持って行ってくださいね」

1位:台湾

木村さんが1位に挙げたおすすめの旅行先は台湾! フライト時間3~4時間ほどで到着するので、海外の中でも特に行きやすい場所です。

木村「アクセスもいいですし、時差も1時間しかないので、国内旅行の延長のような形で気軽に行けます。土日に有給を1日か2日あわせてコンパクトに旅したいというニーズにもピッタリで、2泊3日もしくは3泊4日もあれば十分楽しめる。

親日派の方も多いですし、日本語をそのまま使うみたいな文化もあり、レストランでも日本語のメニューがあったり日本語が通じることも多いので、言語の面でもあまり心配がないのではと思います。

そして私自身、台湾ではグルメをとても楽しみにしているのですが、台湾の料理は子どもでも食べやすいものが多いです。日本食に似ているというか、優しいおふくろの味みたいな感じですね。

あとは気候ですね。日本よりも暖かく、日本の冬の時期は、台湾は春・秋くらいのちょうど気持ちのいい感じの気温です。これからの季節に旅行するにはちょうどいい旅行先だと思います。

交通の便としては、タクシーも安いんですが、地下鉄も日本の東京に近いような形で充実しているので便利です。1日使えるパスが800円ぐらいで買えるので、いろいろな駅で降りて町ごとの違いを楽しむのもいいかなと思います」

そして台湾といえばやはりはずせないのがナイトマーケット(夜市)! 毎日各所で開かれるナイトマーケットでは、台湾グルメやファッション雑貨などを販売する屋台が立ち並び、夕方から夜遅くまで多くの人々で賑わいます。

木村「台湾にはいろんな規模のマーケットがあります。一番大きくて有名なのは士林夜市だと思うんですが、子ども連れの場合は大規模すぎると大変かなと思うので、もうちょっと小規模なところで楽しむのがおすすめです。

ナイトマーケットといっても夕方の4~5時ぐらいから開いているので、そのくらいから行ってご飯を食べたりとか。あとはゲームを楽しめる屋台みたいものがあって、日本の昔のお祭りのようなノスタルジックな雰囲気もあるので、大人も楽しめるし子どもも喜ぶんじゃないかなと思います。

あとは、私は子どもができてからまだ台湾には行けていないのですが、大きな公園もたくさんあるようです。小さいお子さんだと、あちこちレジャーランドとかに行くよりも意外と公園の遊具で遊ぶほうが喜んだりするので、街中でちょっとぶらぶら買い物を楽しんで、公園に寄って遊ぶというような気軽な旅もいいんじゃないかなと思います」

番外編:キューバ・スペイン

最後に番外編として、小さな子ども連れで行くにはハードルが高い部分もありつつ、子どもと旅行してみたいとっておきの国を教えてもらいました。

木村「私自身が、価値観が変わったなと思う国はキューバですね。

昔、仕事の関係でアメリカのサンディエゴに1年間住んでいたことがあって。サンディエゴはメキシコとアメリカの国境にある都市なので、ラテンの文化が浸透しているんですね。そこでラテンダンスにハマって、キューバの人に習ったりして、本場に行ってみたいということで何度かキューバを訪れました。

究極の社会主義みたいな国で、今はわかりませんが、私が行ったときは日本の戦時中のような配給制度がまだありました。

国としては貧しいんですが、老若男女みんな歌やダンスで日々の楽しみを見つけていて、暗さがまったくなく明るい雰囲気で、子どもたちもスプーンやバケツを楽器にして遊んでいるんですよ。

もちろん、制度的に良い面、悪いどちらもあると思うんですけど、つらい中でも楽しみを見つけて朗らかに、強くたくましく生活しているので、そのあたりは考えさせられる部分があったし、価値観が変わりましたね」

そのほか、ヨーロッパ、特にスペインも文化の違いを感じて衝撃を受けた国だそう。

木村「スペインは街並みも文化も人柄も日本とは全然違うので、子どもが感受性豊かなときに連れていってみたいなとは思いますね。

日本は、『人に迷惑をかけてはいけません』という教育で、何事もキッチリしているじゃないですか。スペインでは、夜12時に子供が外で遊んでいたりするんですよ(笑)。昼寝をする文化なので、それもあるのかなとは思いますが。

日本の子どもたちはいろいろな制約の中で生きていると思うので、こういう全然違う世界もあるんだよって感じてもらうのもいいのかなと思います。

やっぱり海外旅行の醍醐味って、おいしいものを食べる、きれいな景色を見るということだけではなく、文化って国によってこんなに違うんだって体感できること。もし長期の休みがとれるなら、ちょっと時間をかけて日本とはまったく違う国に行ってみるのもいいんじゃないでしょうか。

お得に海外旅行できる裏ワザも

海外旅行をしたいと思っても、やはり気になるのはお財布事情。エクスペディアでの予約で、お得に海外旅行ができるとっておき情報を教えていただきました。

木村「エクスペディアの、航空券とホテルを組み合わせたダイナミックパッケージがおすすめです。航空会社と宿泊したいホテルの両方をエクスペディアで予約するというシンプルなもので、航空券とホテルを別々に予約するよりもかなりお得な金額で予約することができます。特に泊数が長いほど値引きが大きいので、遠方の長期旅行であればこちらがお得です。

ただ、そうは言ってもホテル選びはもっと時間をかけて飛行機だけ先におさえたい、ということもあるかと思うのですが、そういった場合でもエクスペディアで飛行機を予約したあとに同じサイトでホテルの予約もしていただければ、お得なパッケージレートが適用されます。

さらに、いま力を入れているのが、エクスペディアの会員プログラムです。会員といってもEメールアドレスとパスワードでアカウントを作っていただくだけなので非常に簡単です。

会員になるだけで、10%以上の会員限定割引を提供しているホテルを予約いただけます。さらに、エクスペディアをたくさんご利用いただくと、シルバー、ゴールド会員という形でアップグレードされて、さらにお得な会員価格や特典が利用できます。

そしてもうひとつ、ぜひ活用していただきたいのが、フライトの価格トラッカーという機能です。飛行機の料金は日々上がったり下がったりして、予約する日によって同じフライトでも料金が変わったりします。この機能は、自分が行きたい目的地を設定すると、航空券の値段の上下を追跡して、値段が上下したときにアプリでお知らせしてもらうことができます。

出発直前の予約はやはり値段が高くなる傾向はあるので、旅行の2、3カ月前ぐらいからこのフライト価格トラッカーの設定をしていただき、少なくとも1カ月から1カ月半前ぐらいに予約すると、お得に予約できるのではないかなと思います」

最後に、木村さんに子連れ海外旅行の醍醐味について伺いました。

木村「日本は人口がどんどん減っていますし、10年後20年後、子どもたちが成人になったとき、今以上に国際社会の中で自分のプレゼンスを高めていって、頑張って競争していかなければならなくなると思うんですよね。

そういった意味でも、プチ留学的な感じで、小さいうちから海外旅行で違う国の違う文化に触れる体験ができるのはとても貴重だと思います。観光地に行くのもいいですが、観光地化されたところはどうしてもローカル色が薄まるので、本当に現地のファミリーが普段土日に行くようなところを追いかけてみるのも面白いですよね。

家族単位でとどまらず、それこそ現地の公園やビーチなどもいいと思うんですけど、そういった場所で現地の子どもと一緒に遊べるような機会があるとなお良いですよね。子どもは本当に自由だし、垣根がないので。

例えば宿泊するホテルで子どもたちだけで参加できるアクティビティやキッズプログラムがあるなら、参加させてみるのもありだと思います。親もリフレッシュできて、子どもは世界中から来ている子どもたちと触れ合えるので、とてもいい体験になりますよ」

国内よりはハードルが高いけれど、きっと日本にいたらできない体験がたくさんできる子連れ海外旅行。お金を貯めて、まとまったお休みがとれるタイミングで、今回ご紹介したポイントをおさえながら、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

■取材協力
木村 奈津子さん

エクスペディアグループホールディングス(株)代表取締役 兼 エクスペディアグループ リテール日本統括ディレクター。複数のグローバル企業を経て2007年にエクスペディア・ジャパンに入社。マーケティング責任者や、HomeAway(現:Vrbo)の日本支社長を経て、2023年より現職。仕事とプライベートで40都市以上に居住+旅行した経験あり。4歳の娘がいる。お気に入りの旅行先は、アメリカ・サンディエゴ、スリランカ。

(ハピママ*/ Mami Azuma)

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