「実現できるかわからないことを10か月かけて…お粗末で呆れている」川勝平太知事“リニア開業後新幹線1.5倍案”をバッサリ「言ったことに責任を持って」国土交通省を痛烈批判

川勝平太静岡県知事は、リニアの開業によって静岡県内に停車する東海道新幹線の本数が1.5倍に増える見込みがあるとする国の調査結果について、「お粗末で呆れた」などと痛烈に批判しました。

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<静岡県 川勝平太知事>
「あくまで仮定なので実現できるか分からないことを10か月かけてやられたということに、お粗末であり、呆れている」

川勝知事が酷評したのは、国が公表した調査結果です。

<斉藤鉄夫 国土交通大臣>
「静岡県内各駅の停車頻度の増加や経済波及効果など東海道新幹線の利便性向上などのポテンシャルについて調査結果を取りまとめました」

国土交通省は10月20日、リニア新幹線の開業静岡県にどれだけのメリットがあるかという調査結果を公表。リニア新幹線が大阪まで開業した場合、「のぞみ」に乗る人がリニアを利用すると想定されます。

今回の調査結果では、「のぞみ」の本数を減らして「ひかり」「こだま」の増やすことができれば、計算上、県内に停車する新幹線の本数は、現在の1.5倍に増やすことが可能と指摘。その上で、観光客が増えれば、開業からの10年間で約1700億円の経済効果が見込めるとしています。

<川勝平太知事>
「JR東海は民間会社、したがってダイヤについて国がどうこう決めることはできません。本来、決定者ではない者が、決定できるかのごとく、1.5倍増えるという見出しが躍るようなことになったのは、国交省としてはいい仕事をされたなと、なんていい仕事をしているのだろうと」

国はリニア開業による静岡県のメリットを示すことで、膠着状態が続くリニア問題の打開につなげたい狙いがありましたが、どうやら現状では逆効果になっているようです。

<川勝平太知事>
「ひかり、こだまが増えるのは初めから分かっていたこと。それが1.5倍というのは単なる頭の体操。何の責任もないにも関わらず言ってしまったので、国交省は言ったことに責任を持ってください」

国土交通省は今後、調査結果について、県などに説明する方針ですが、川勝知事の姿勢が変わるかどうかは未知数です。

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