●点在、散策しやすく 来年度以降に本格化
小矢部市埴生地区自治振興会は地区に点在する古墳群を散策しやすくするため、遊歩道整備に向けた検討を始めた。来年度以降に取り組みを具体化させ、地権者の同意を得て早期完成を目指す。21日に関係者が現地を視察し、適切なルートについて協議した。
埴生地区には、周囲が公園に整備されている若宮古墳や、関野神社のある関野1号墳などがある。市内の古墳約60基のうち、同地区に約40基が集中し、大型古墳は砺波地域を統括した首長の墓と考えられている。
計画では、関野1号墳と関野2号墳を結ぶ遊歩道を設け、地域の歴史資源に光を当てる。両者は直線距離で約300メートル離れており、関野2号墳の周辺には複数の古墳が点在する。個人市民税の1%相当額を補助金として市内団体に交付する「おやべ型1%まちづくり事業」を活用する。
市は埴生地区にある旧市老人福祉センター「寿永荘」跡地について、複数年かけて段階的に公園へと整備する方針を示している。関野1号墳は整備区域に近く、住民有志が自然と歴史資源が一体となった場所になるようにする。
同振興会の南優正会長は「地区にある古墳群の魅力を伝える契機とし、寿永荘跡地周辺の一体的な活性化につなげたい」と話した。